オランダ北西部フリースラント州ジェルスム村で、車のスピードを抑えるために「歌が流れる道路」が設置された。しかし、近隣住民から「うるさい」と苦情が相次ぎ、撤去されることになった。
ロイター通信によると、ジェルスム村を通る幹線道路を時速40マイル(約65キロ)以上で通過すると、フリースラント州の州歌が流れる減速帯が設置された。
フリースラント州のインフラ・文化大臣シーツカ・ポプイェス氏によると、この減速帯は、2018年の欧州文化首都に指定された州都レーワルデン市を宣伝するために設計されたという。また、道路に使う新しい塗料のテストも兼ねていた。
「驚くほどうまくいっています。メロディーも聞こえるでしょう」と、ポプイェス氏はBBCに語った。
ドライバーにとっては目新しい仕掛けかもしれないが、道路の近隣住民にとっては苦痛でしかない。シッツェ・ジャンスマさんはオランダの新聞「RTL」にこう語った。
「単純な話です。フリースラントの州歌を聞くのは楽しいですが、24時間流れたらたまったものじゃありません」
「難聴になってしまいますよ。本当に。外で座っていられませんし、夜も眠れません。あのブブゼラ(南アフリカのラッパで、重低音が大音量で響く楽器)みたいな歌声を聞いていると、頭がおかしくなりそうです」
地元住民のリア・ジャンスマさんによると、減速帯をできるだけ早く通過しようとして加速するタクシーもあるという。
「あの歌が夜通し、高速で流れていたんですよ」と、ジャンスマさんはロイターに語った。
フリースラント州当局はこうした住民の苦情に配慮し、今週中にも減速帯を撤去する予定だ。
ハフポストUS版より翻訳、編集しました。