日本にはGWのような大型連休がありますが、シンガポールには国が決めた長期の休みはありません。
日本より祝日の数は少ないですが、多民族国家ゆえにそれぞれの宗教に関連したお休みが多くユニークなのです!
そこで今回は、シンガポールの祝日についてお伝えします。
※宗教関連の祝日は年によって日が異なる場合が多いので、ここでは2016年のものをお伝えします。
1月1日 元日
日本では重要な日ですが、シンガポールでは旧正月のほうが盛大に祝われます。
元日は休みですが、31日、2日は通常営業のところがほとんどなので、カウントダウンを楽しんで終わりという感じです。
カウントダウンは国全体のイベントであるため力が入っており、大きな花火があがり、マリーナベイではライブなども行われます。
あまりにあっけなく終わった上に、気候は夏、クリスマスの装飾も2月まで残ったまま。
私はしばらく年を越したという感覚がありませんでした。
2月8日・9日 春節(旧正月)
これこそが、シンガポールでは日本のお正月に近いものです。
この時期になると街の装飾が赤一色になり、さまざまな場所でパレードなどのイベントが開催されます。
当日はほとんどのお店が閉まり、家族や親戚が集まったり、海外旅行へ行ったりします。
家での集まりには、マンダリンオレンジをふたつ持って行くのが定番。
オレンジは中華圏では縁起が良く、行った先でオレンジを交換(運を交換)するのです。
▶出典 alexxis on Flickr
この漫画に出てくるストーリーも、シンガポールあるあるです!
また、お年玉にあたる紅包(アンパオ)が登場します。
日頃お世話になっている人にも渡すため、大人ももらうことがあります。
中華系企業では、アンパオが社員に配られたりするところも!
お節料理のようなものとして、「ローヘイ」(lohei)と呼ばれるお刺身のサラダがあります。
▶出典 Scott on Flickr
使われる具材にはそれぞれ意味があり、
・お刺身→富
・野菜→家族の調和
・ワンタンの皮→金運
・ピーナッツ、ごま→健康、長寿
・プラムソース→財
と縁起を担ぐのです。
食べ方も独特で、全員で一斉に「ローヘイ、ローヘイ!」と言いながらお箸で具材を高く持ち上げ、落とします。
高ければ高いほど縁起が良いとされ、後のテーブルまわりはすごいことに(笑)。
サラダはすべて食べずに少し残すのがポイント。
具材=金。
すべて食べてはお金がなくなってしまうと考えられるからです。
ローヘイはこの時期になるとスーパーで大量に見かけるだけでなく、メニューとして出すお店も多くあります。
3月25日 聖金曜日
キリスト教徒にとって最も重要な祭日。
春分の日後の満月直後の金曜日となるため、年によって日づけが変わります。
5月1日 労働者の日
日本では祝日になりませんが、世界80ヶ国以上で祝日とされ、シンガポールもそのひとつです。
労働者による祭典が開かれます。
5月21日 べサックデー(釈迦誕生祭)
仏教徒はこの日お花やフルーツ、お供え物などを持ってお寺に行き、贈り物を交換し合います。
▶出典 media.digest on Flickr
7月6日 ハリ・ラヤ・プアサ
▶出典 Bambi Corro III on Flickr
イスラム教における最大のお祭り。ラマダン(断食)を終えたことを盛大に祝う日です。
8月9日 独立記念日
マレーシアから都市国家として分離独立したことを祝う日で、国を挙げての大イベント!
時期が近くなると街中にシンガポールの国旗が掲げられ、週末には花火やパレードのリハーサルが行われます。
昨年・2015年は建国50周年であったため、特別に4連休となりました。
国中が「SG50」のロゴで溢れ(運転免許証や交通系ICカード、シンガポール航空の機体にも)、イベントが開催されました。
期間中は観光スポットの入場料や公共交通の運賃が無料になったり、各地でセールが行われたり、そしてなんとその年に支払う税金まで半額に!
シンガポール政府、太っ腹ですね!
▶ビルに浮かびだす「50」の文字
街は赤い服を着た人たちで溢れかえり、パレードや花火、航空ショーを楽しみます。
シンガポール人の愛国心が感じられる、貴重な一日です。
9月12日 ハリ ラヤ ハジ
イスラム教の祝日。メッカに向かって歩く巡礼を行います。
▶毎年9月にはF1も開催される
10月29日 ディパバリ
ヒンドゥー教最大の祭日。
伝説に基づいた光の祭典であるため、この時期リトル・インディアはライトアップがきれいです。
リトル・インディアにはスリ・スリニバサ・ペルマル寺院があり、この日多くのヒンドゥー教徒、観光客が訪れます。
12月25日 クリスマス
どこも家族連れやカップルで賑わう祝日。
11月中旬~1月中旬頃まではクリスマスのイルミネーションを楽しめます。
▶デパートなどもクリスマス装飾一色となる
シンガポールにいらっしゃる際はぜひこちらの祝日にあわせて、ユニークな文化を感じてみてくださいね!
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ライター
粟飯原 聡美/Satomi Aihara
1989年生まれ、千葉県出身。海外旅行が大好きなことから英語に興味をもち、大学では英語学部で国際関係について学ぶ。在学中にオーストラリア、アメリカに滞在した経験から海外で働くことに憧れを抱くように......。卒業後に勤めた日系航空会社を3年半で退職し、転職、シンガポールで現地採用として働く。現在、多様な文化の交差点にて新たな夢を模索中。
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