(続)科学が解き明かす、オトナの集中力を高めるシンプルな方法

禅寺に行かずとも、ヨガ教室に通わずとも、世に出回る瞑想無料アプリなり、キッチンタイマーを使えば今日からでも実行可能です。非常にお手軽でリーズナブルですよ。
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John Greim via Getty Images
NEGRIL, WEST END, WESTMORELAND PARISH, JAMAICA - 2014/01/10: Two women practice yoga from a waterfront ledge. (Photo by John Greim/LightRocket via Getty Images)

前回は、出来るオトナに必須のスキル"集中力"が、実は4種類の集中力に分けられること、「瞑想」というメンタルトレーニングが、それらの集中力向上ための超シンプルなツールでるということを紹介しました。

「なんで瞑想で集中力がアップすんの?」とか「なんか胡散臭い」とか、思われる方も多いかもしれません。そんな当たり前のギモンにお答えしましょう。----瞑想することで何かが降臨して集中力が高まるのです!

・・・というのは冗談で、ちゃんとした科学的メカニズムがあります。

あるんですよ、ほんとに。

説明にあたり、脳科学の専門用語さん達にご登場願わねばならないので、アレルギーを起こさずお付き合いいただきたい。

★ 瞑想をすると、脳でこんなことが起こります ★

①前頭葉、左頭頂皮質、視床が活性化 (1)

→継続的集中力がup!

前頭葉は集中力、頭頂は感覚を司り、視床は嗅覚以外の知覚神経を滞納皮質へ中継する部位。これらは継続的集中力に関連していると言われています。

②上頭頂皮質が活性化 (1)

→選択的的集中力がup!

上頭頂は空間位置関係や微細運動の統合、認知に関する機能、空間知覚に関わる機能を持ち、選択的集中に関与していると考えられています。

③前帯状皮質が活性化 (1)

→実行集中力がup!

前帯状皮質は、血圧や心拍数の調節のような多くの自律的機能の他に、報酬予測、意思決定、共感や情動といった認知機能に関わっているとされています。

④前頭前野が活性化 (2)

→集中力の切り替え能力がup!

前頭前野は思考や創造性を担い、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能などにも関与しています。

⑤その他+α

・扁桃体が働きを抑制 

→感情コントロール能力がup!

扁桃体は情動反応の処理と記憶において主要な役割を担っています。扁桃体の興奮が押さえられることで副交感神経優位となり、リラックス効果も期待できます。

・島皮質、前部前頭皮質、海馬で灰白質密度が増加 (3)

→記憶力、集中力、 感情コントロールがup!

灰白質は中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部位のことです。灰白質密度が増加すると記憶力の向上などが期待できます。

この他にも、痛覚に関連する部位にも影響し、痛みを緩和する作用もあり、肩こりや腰痛が気になって集中力が阻害される、という状態になるのを防いでくれます。

また、睡眠に関連するホルモン分泌が促され、睡眠の質が上がって集中力にプラスに働く、という効果もあるんです!

なになに、ここまで説明してもまだ信用できないと?それはもう、だまされたと思ってやっていただくしかありませんね。禅寺に行かずとも、ヨガ教室に通わずとも、世に出回る瞑想無料アプリなり、キッチンタイマーを使えば今日からでも実行可能です。非常にお手軽でリーズナブルですよ。出来るオトナになりたくば、実行してみない手はありません。

参考文献:

(1)Zeidana , J.A. Grantb, C.A. Brownc, J.G. McHaffiea, and R. C. C., & F. (2013). Mindfulness meditation-related pain relief: Evidence for unique brain mechanisms in the regulation of pain F., 520(2), 165-173. doi:10.1016/j.neulet.2012.03.082.Mindfulness

(2)Wager, T. D., Jonides, J., & Reading, S. (2004). Neuroimaging studies of shifting attention: a meta-analysis. NeuroImage, 22(4), 1679-93. doi:10.1016/j.neuroimage.2004.03.052

(3) Jensen, M. P., Day, M. a, & Miró, J. (2014). Neuromodulatory treatments for chronic pain: efficacy and mechanisms. Nature Reviews. Neurology, 10(3), 167-78. doi:10.1038/nrneurol.2014.12