鹿児島市の「いおワールドかごしま水族館」には、「沈黙の海」という名前の水槽がある。水槽の中には魚などの生物の姿はなく、真っ青な水だけ。時折、泡がブクブクと上がるほかは、静まり返っているという。この水槽が「あまりに怖すぎる」などと、ネット上で話題になっている。
水槽の横には次のような詩が書かれている。
沈黙の海
青い海 なにもいない
もう耳をふさぎたいほど
生きものたちの歌が聞こえていた海
それが いつのまにか、何も聞こえない
青い海
人間という生きものが
自分たちだけのことしか 考えない
そんな毎日が続いているうち
生きものたちの歌がひとつ消え
ふたつ消えて
それが いつのまにか なにも聞こえない
青い 沈黙の海
そんな海を子供たちに残さないために
わたしたちは 何をしたらいいのだろう?
環境破壊が進んで、生物がいなくなった海の姿を暗示しているのだろうか。
かごしま水族館の担当者は、ハフィントンポストの電話取材に対して「この水槽は、1997年の開館当初から魚類などの水槽の最後に置いてあります。南西諸島や鹿児島湾の生物たちのにぎやかな水槽を見た後に、この寂しい水槽を見ることで、『何も生物がいない海ってどうなんだろう?』と、来館者に気づいてもらうのが目的です」と、コメントした。
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