食糧難「同胞たがひに助け合つて」昭和天皇の音声公表へ
終戦後、昭和天皇がラジオを通して食糧問題に言及した音声の原盤が見つかり、宮内庁は9日、8月1日に公表すると発表した。これとは別に、戦争終結を伝える「玉音放送」を記録したレコード「玉音盤」も初めて公開する。戦後70年の節目にあたることや、天皇、皇后両陛下や皇太子さま、秋篠宮さまの意向を受けて公開が決まったという。
「昭和天皇実録」などによると、終戦翌年の1946年5月24日、「食糧問題の重要性に関する御言葉」がラジオ放送された。「主として都市における食糧事情は、いまだ例を見ないほど窮迫し、その状況はふかく心をいたましめるものがある」として「同胞たがひに助け合つて、この窮況をきりぬけなければならない」と述べた内容。音源はこれまで存在を知られていなかったが、この原盤が戦争終結を伝える玉音盤と同じ保管場所から見つかったという。
「玉音盤」は約4分30秒で、終戦前日の45年8月14日に録音された。これまで知られている玉音放送は戦後の連合国軍総司令部(GHQ)の複製がもとになっているとみられ、原盤は宮内庁が保管していた。劣化が進んでいるとされたが、音声は再生できる状態で、6月下旬には天皇、皇后両陛下や皇太子さま、秋篠宮さまが皇居・御所で音声を聞いたという。
また、終戦を決めた御前会議が開かれた皇居内の防空壕(ごう)の写真や図面なども報道機関を通じて公開する。ホームページにも掲載する予定だという。(島康彦、伊藤和也)
(朝日新聞デジタル 2015/07/9 05:28)
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