少年ジャンプ編集部が女子トイレマーク変更をマンガで報告 エロいデザインに「セクハラ」の声

「性暴力を娯楽として消費し、面白がるという発想が問題」

「少年ジャンプ」(集英社)のウェブサイト「ジャンプ+」で公開された、編集部員が主人公の実話形式のマンガの内容について、Twitter上などで「編集部による関係者の女性らに対するセクハラ」「セクハラ行為を娯楽にするのは問題」などと、疑問を呈する声が次々と表明されている。

問題になっているマンガは、4月19日に公開されたコミックエッセイの連載シリーズ「すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!」の第三話で「ジャンプ編集部の女子トイレのマークを矢吹健太朗先生がデザインしたらこうなった!!」というもの。

矢吹さんはマンガ内で「ちょっぴりえっちなラブコメ漫画」家として紹介されている。「週刊少年ジャンプ」誌上で2006年〜2009年にラブコメディ作品「To LOVEる -とらぶる-」を連載。テレビアニメ化されるなど人気の作品だ。

■どんな内容なのか

今回のコミックエッセイの内容は、週刊少年ジャンプに執筆している漫画家の矢吹さんと一緒に「ジャンプっぽいトイレ」を作るため、新しい女子トイレの表示デザインを考えるというもの。

女性の裸体などを検討した上で、最終的には下着を膝まで下ろした女性をモチーフにしたデザインが採用された。

そして、マンガ内では、「実際にジャンプ編集部の女子トイレに貼った」として表示を差し替えた写真も掲載されている。しかし、ジャンプ編集部には女性は一人もいないとして、最終コマは「ジャンプ関係者の女子のみなさん!編集部にお越しの際は是非女子トイレにお立ち寄りください!」と呼びかけで終わっている。

■「編集部が生身の女性にセクハラしている案件」

Twitter上では、マンガ内の表現にとどまらず、特に実際の女子トイレに性的な表現を掲示したという点を疑問視し、「セクハラ」と批判する声が多く挙がっている。

また、性暴力などに詳しい太田啓子弁護士は、ハフィントンポストの取材に対して「イラスト自体が問題というより、どういう意図でどう使うかという文脈の問題。セクシャルハラスメントという性暴力を娯楽として消費し、面白がるという発想が問題。こどもがこういう【笑い】を学ぶことに耐えられません」とコメントを寄せた。

ハフィントンポストでは集英社広報部に批判に対する見解などを問い合わせている。回答があり次第アップデートするが、広報部は「お答えできない可能性もある」としている。

■巻き込まれた矢吹さんには「可哀想」の声も...

一方、このマンガで漫画家の矢吹さんは、矢吹さんの作風を既に知っている編集部からの依頼で、このデザインを完成させたという経緯が書かれている。そのことから、矢吹さんに対しては「可哀想」という声も上がっている。

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