シンガポールでショッピングと言うと、大型高級ブランドばかりというイメージがあるけれど、オーチャード・ロードに並ぶきらびやかな店頭を離れれば、この町にも国際性溢れるブティックや地元色ある個性的なショップがたくさんあることに気づくはず。ビンテージのカメラ用品だろうと、最新ファッションアイテムだろうと、スーツケースに収まるか心配になるほど、いろんなものが見つかること間違いなし。
多種多様なものが混在するシンガポール気分を満喫するなら、まずはリトル・インディア地区からスタート。「レッド・ドット・デザイン・ミュージアム(Red Dot Design Museum)」で、ゴージャスな作品の数々に見とれてもいいし、まっすぐ「エッグ3(Egg3)」に向かって、実際に購入可能なインテリア商品やファッショングッズをじっくり品定めするのもいいでしょう。また、見事な陶器のノームやコダックのブラウニーカメラ(期限切れの127mmフィルム入り)など、キッチュな雑貨が気になる人は「ザ・リトル・ドロム・ストア(The Little Dröm Store)」も目を楽しませてくれます。
奇抜なインテリアに魅せられたら、このエリアにある「ワンダーラスト(Wanderlust)」にチェックイン。どこまでもスタイリッシュで、どこまでもファンタジックなこのホテル。4つのフロアは、ピンクとブルーのネオンライトに包まれたものや、古い宇宙旅行のイメージを彷彿とさせるものなど、それぞれ大胆なスタイルで仕上げられているほか、丁寧にセレクトされたレトロな家具や超コンテンポラリーなデザイン要素を上手に交わえることで、それぞれ単体では実現できない、独特なホテル空間を生み出しています。
とはいえ、コンセプト的にも地理的にも、シンガポールの見所すべてが中心から外れたところにあるわけではありません。セントラルビジネス地区に泊まるなら、香港に拠点を置くデザイナー、アンドレ・フー(Andre Fu)が手がけた「ザ・フラトン・ベイ・ホテル(The Fullerton Bay Hotel)」はいかがでしょう。どこまでも高級感漂うモダンなホテルながら、ロマンティックなコロニアル様式のヒントも取り入れ、高級ショッピング街となっているラッフルズ・プレイスからはほんの数ブロック。このエリアには世界中から届いた輸入品が集まり、ここで見つからないものは高級とは言えないとでも断言したくなるほど。ラッフルズのショッピング・アーケードだけでも、ルイ・ヴィトン、ライカ、モルトン・ブラウン、そしてシンガポールきってのファッション・コンセプトストア「サレンダー(Surrender)」と「フロント・ロー(Front Row)」が揃っています。WTAPSやミッソーニといったブランドのアイテムが並ぶサレンダーは、高級ストリートスタイルが中心。一方、フロント・ロウは、A.P.C.やグレイハウンド、ユナイテッド・バンブー、アンテベラムといったレーベルを交えた、パリのコレット風。まだまだショッピングし足りないという人は、東南アジアにチェーン展開しているアート本専門書店「バシアー(Basheer)」、誰も聞いたことのないようなデザイナーや、なかなか手に入らないレアなブランドが揃った「アクチュアリー(Actually)」も覗いてみては。
ショッピング三昧のクライマックスは、シンガポールのクリエーティブシーンの中心地、ハジ・レーンへ。グラム・ビレッジこと、カンポン・グラム地区にあるこの通りには、シンガポールに拠点を置くデザイナーやアーティストのアトリエやブティックが集まっているほか、人気絶えない「カフェ・ル・クレール(Café Le Claire)」のようなカフェも点在。中でも特に注目のショップは、「ヴェインポット(Vainpot)」「ウィキッド・ランドリー(Wicked Laundry)」「ノウ・イット・ナッシング(Know It Nothing)」、そして「プラック(Pluck)」。さて、問題。抱えきれないほどいっぱいになってしまったショッピングバッグを、どうやってホテルまで運びましょうか・・・。
From Tablet Magazine