銃乱射事件は大統領選にどう影響するのだろうか

年々銃の購入は増加し、2000年には854万丁だったのが、昨年は2,314万丁とこの15年で、2.7倍となり、延べでは2億3,141万丁となっているとしています。(FBIデータ)

49人もの被害者を生んだ悲惨な銃乱射事件は、米国の大統領戦にどのように影響するのでしょうか。米国で銃乱射事件が起こるたびに、銃規制への動きがでるのではなく、我が身を守る防衛意識が高まり、銃を購入する人が増えるといわれているのですが本当にそうなんでしょうか。

確かに、この悲惨な出来事が起こったことで、銃器メーカーの株価がいっせいに上昇したようです。

そして銃の購入者の身元照会を行っている米連邦捜査局(FBI)のデータによれば年々銃の購入は増加し、2000年には854万丁だったのが、昨年は2,314万丁とこの15年で、2.7倍となり、延べでは2億3,141万丁となっているとしています。

国別に見れば、米国は突出した銃社会です。民間の銃所有数が他国とは比較にならないほど銃があふれています。

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銃による死亡者数も当然増えてきます。

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銃による凶悪事件が起こると、恐怖と防衛意識で銃をさらに買う。もしそんな銃社会の悪循環があれば、移民やイスラムを排除しようというトランプ候補に有利にはたらきそうです。他になにかいいデータがないかと探してみると、シカゴ大学の研究機関が銃の所有率に関するレポートを出していました。

意外な結果でした。この統計では、長期的には米国の銃の世帯保有率は低下してきています。ということは、統計が正しいとすれば、持たない人が増えたとしても、特定の銃を持ちたい人が購入し続け、所有数量が増加してきたということになります。

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もしそうなら、選挙は人数なので、銃規制を呼びかけるクリントン候補に共感する人のほうが多そうです。さて、銃による悲惨な事件に対して、米国国民はどう判断を下すのでしょうか。

(2016年6月14日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)