先日、片山さつきフォーラムに出席した。
テーマは名古屋とリニア。
講師は藤井聡教授。
フォーラムでは12年後の2027年に品川ー名古屋間に開通されるリニアモーターカーで生まれる経済圏、交流圏について片山議員と藤井聡教授の対談という形で行われた。
リニアが開通することにより、「東京と名古屋は別々の都市圏ではなく、1つの都市圏となる。もはや近所だ。」ということが強調された。なぜなら品川ー名古屋間が40分で移動可能だからである。現在は1時間半だ。
運賃も現在の新幹線代ぷらす700円前後の上乗せでJR東海も検討しているとのことなので、仮に定期券も発行されることになれば、ビジネスマンや学生、経営者など名古屋に住みながら東京へ、東京に住みながら名古屋へという新生活スタイルも可能となる。
リニアができたくらいで騒がれているような経済圏や交流圏が生まれるかという疑問はあるが、新幹線と都市発展の関係を考えれば可能性は高いと考える。
藤井聡教授の著書「超インフラ論(PHP出版)」では、「新幹線が都市の成長を促し、新幹線の未整備が都市の衰退をもたらしている」と言い切る。
根拠として、以下著書から抜粋する。
現代の大都市(政令指令都市)は全て、「新幹線」が通る都市圏に位置していることがわかる。一方で、日本の近代化が始まったころ(明治九年)の人口ベスト十五都市の中には金沢、富山、熊本、鹿児島、和歌山、徳島、函館という街々が入っていたのだが、これらの「かつての大都市」はいずれも、今日、政令指定都市にはなっていない。
ここで、重要なのは、これかの「かつての大都市であったが、今は政令指定都市になっていない都市」は、一つの例外もなく「新幹線が通っていない」という共通項を持っている、という点である。
そしてさらに重要なのは、それ以外のベスト十五都市に入っていた都市(東京、大阪、名古屋、広島、仙台など)は、これもまた一つの例外もなく「新幹線が通る都市」だという共通項を持っていることである。
これらの事実は明確に次の一点を示している。
それはつまり、(高速都市間交通インフラ、すなわち、現代の)新幹線の有無が、その都市の命運を分けたということである。(『超インフラ論 地方が蘇る「四大交流圏」構想(藤井聡著 PHP出版)』
確かに・・・としか言いようがない。
この延長線上でリニア開通を考えると、2027年以降の名古屋の経済発展は大いに期待できる。それを見越してか名古屋駅前は高層の商業ビルの建築ラッシュである。大阪もその後、リニア開通する予定なので品川ー名古屋ー大阪間の交流が活気付いてくことは予想できる。
問題はその他の地方都市である。リニアは3大都市だけが結ばれるものであり、それ以外の地方都市には開通する計画は今のところない。
地方創生を考えると、リニアが結ばれる3大都市圏以外の地方都市はどうしたらいいのか。著書の理論から言えば、新幹線開通を目指すべきだろう。
3大都市はリニアに期待、それ以外の地方都市は新幹線に期待だ。