石破 茂 です。
九年ぶりの少しだけ自分の自由になる時間を得て、お初盆のお宅を廻らせていただくことが出来ました。
昭和59年夏に衆院議員を志した際、売り物といえば亡父の名前と実績のみで、自分自身はなんらとるに足らない者であったにも拘らず、その時以来私を30余年にもわたって応援して下さった方がこの一年間に随分とお亡くなりになっており、お世話になったことを心よりお礼申し上げ、公務のためにご葬儀にもお通夜にも伺えなかったことを深くお詫びしてまいりました。
中でも、鳥取県庁の関係者(亡父の後継の知事が現職の衆院議員となっておられました)の方々や、当選3回までは中選挙区であったため(鳥取全県区・定数4)、出身地から遠く、同級生も親戚もほとんど居らず、地元の代議士が圧倒的に強かった県西部地域において支えて下さった方々のご苦労は並大抵のものではなかったと思います。
お線香をあげ、ご遺族の皆様とお話をしながら、来し方を振り返り、本当に有り難い思いがしたことでした。
8月はいつも日中戦争(正式な宣戦布告が無かったため「事変」とも称しますが)、太平洋戦争について改めて考えさせられます。
猪瀬直樹氏の「昭和16年夏の敗戦 日本人はなぜ戦争をしたか」や、阿川弘之氏の一連の著作「山本五十六」「井上成美」「米内光政」を読み返すのはとても充実した時間でしたし、有馬哲夫氏の「歴史問題の正解」(新潮選書)からも多くの示唆を受けました。
映画ではDVDで「連合艦隊」(昭和56年・東宝)、「日本の一番長い日」(昭和42年・東宝)を久しぶりに全編通して観ることが出来ました。どちらもお勧めです。「カサブランカ」も久しぶりに観ましたが、ハンフリー・ボガードの格好よさとイングリッド・バーグマンの美しさ、随所に散りばめられた台詞の素晴らしさに改めて感動するとともに、これが1942年の製作であることに改めて驚きを感じました。
お勧め下さる方があって、「シン・ゴジラ」も映画館で観る機会があったのですが、何故ゴジラの襲来に対して自衛隊に防衛出動が下令されるのか、どうにも理解が出来ませんでした。いくらゴジラが圧倒的な破壊力を有していても、あくまで天変地異的な現象なのであって、「国または国に準ずる組織による我が国に対する急迫不正の武力攻撃」ではないのですから、害獣駆除として災害派遣で対処するのが法的には妥当なはずなのですが、「災害派遣では武器の使用も武力の行使も出来ない」というのが主な反論の論拠のようです。「警察力をもってしては対応困難な場合」に適用される「治安出動」ではどうなのか、という論点もありそうです。
なんだか「夏休みの日記」的な文章になってしまいました。ご容赦ください。
小学生の頃、「夏の友」(同世代で覚えていらっしゃる方もおありかと思います)なる夏休み用のドリルは早々と仕上げたのですが、絵日記と読書感想文だけはどうにも苦手でした。8月も末となって、「毎日そんなに面白い出来事があるわけないだろう」などと悪態をつきながら絵日記をでっち上げたこと、「あらすじを書くのではなくて感想を書きなさい!」と当時中学教師であった次姉に叱られながら感想文を書くのに悪戦苦闘した日々のことを懐かしく思い出します。
週末20日土曜日は自民党宮崎県連の政経セミナーで講演のため、宮崎市まで参ります(13時・メディキット県民文化センター・宮崎市船塚)。
残暑厳しき折、ご健勝にてお過ごしくださいませ。
(2016年8月19日「石破茂(いしばしげる)ブログ」より転載)