経営再建中のシャープが、1218億円ある資本金を1億円以下に減らし、累積損失の解消にあてる方針を固めた。税法上は1億円以下だと「中小企業」とみなされ、法人税率の軽減など税制上の優遇措置を受けられるメリットも見込める。朝日新聞デジタルなどが5月9日、報じた。
シャープ単体では2014年3月末で208億円の繰り越し欠損金があり、15年3月期の赤字決算でさらに膨らむ見通し。主力取引銀行の資本支援を受けた上で、資本金を取り崩す減資で穴埋めする。
欠損を一掃することで、株主への配当を復活する環境を整える意味もある。6月の株主総会での決議を経て実施する見通し。全額減資ではないため、株主の持ち分や、上場などへの影響はない。
(シャープが「中小企業」に? 資本金1億円への減資検討:朝日新聞デジタル 2015/05/09 11:53)
経営破綻していない大企業が99%以上の減資を行うのは極めて異例。金融支援を予定している主要取引銀行側も了承した模様だ。シャープは、債務を優先株などの資本に振り替える「債務の株式化」により、2000億円規模の金融支援を受けることで、主力取引銀行のみずほ銀行や三菱東京UFJ銀行とすでに合意している。
日本航空など経営破綻した企業で株主責任を明確化するために行う100%減資(会社が発行する株式のすべてを消却すること)ではないため、既存の株主の議決権は維持される。
関係者によると、2015年3月期は2000億円以上の最終赤字を計上する見込みで、2016年3月期も最終赤字の見通しという。
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