台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は3月30日、総額3888億円でシャープを買収すると発表した。朝日新聞デジタルなどが報じた。シャープは、日本の大手電機メーカーとして初めて外資系企業の傘下に入ることになった。
主力の液晶事業の低迷で経営不振に陥っているシャープは、2月25日の取締役会で、台湾のホンハイの買収提案を受け入れることを決定。しかし、その直前に、シャープが3000億円に上る財務上の潜在的なリスクについての資料をホンハイ側に示したため、ホンハイが、内容を精査する必要があるとして、最終的な契約を見合わせていた。
ロイターによると、ホンハイは出資額を当初予定の4890億円から約1000億円減額し、3888億円とする。出資比率は66%を維持した。シャープの財務リスクを踏まえ、鴻海は出資額を減額したという。
シャープと鴻海は最大3000億円とされたシャープの潜在的な債務が発端となり、契約を延期していた。ホンハイの郭台銘会長は4月2日に来日し、シャープの高橋興三社長と記者会見を開く見通しだ。