中国・上海で生活ゴミの分別条例が施行された。
しかし分類が分かりにくいうえ、罰金の可能性もあるとあって、住民たちの間で混乱が広まっている。分別先を迷う様子をコミカルに表現したり、アプリに分別機能が登場したりと、創意工夫に富んだ対応が話題を呼んでいる。
■ゴミ分別の条例とは
この「上海市生活ゴミ管理条例」は7月1日から施行された。
新華社などによると、出されるゴミを「乾いたもの」「湿ったもの」「有害」「リサイクル可能」の4種類に分別する。
上海ではこれまでも分別について定めた条例があったが、対象範囲を広げたうえ、罰則規定も加えたため「史上最も厳しい」とするメディアもある。
違う分類のゴミを混ぜて投棄した場合、個人では最高で200元(約3200円)の罰金を科される可能性がある。
■「豚で判断しよう」
ゴミの4分類のうち、「有害」は薬品や電池・廃油など、「リサイクル」はビンや古紙などを指す。しかし問題は「乾いたもの」と「湿ったもの」だ。
中国中央テレビの解説によると、「湿ったもの」は残飯や植物などの腐りやすいもので、それ以外が「乾いたもの」だという。
こうした基準に対して「じゃあ肉のついた骨はどっちなんだ」「食用ザリガニの身と殻は分けるのか」など、疑問を呈する声が上がっている。
中国のネットユーザーが編み出したのが「豚」を基準にしようというジョークだ。豚が食べるものを「湿ったもの」、食べないものを「乾いたもの」にしようという方法で、ネット上で支持を得ている。
■タピオカが飲めない!
こうした状況を揶揄する動画も人気を博している。若い男性がタピオカミルクティーを買いに店を訪れるのだが、注文しようとしたところで自問自答が始まる。
「待てよ、ストローと蓋はビニール製だな?紙製のカップは拭いて乾かせば『乾いたゴミ』になるはずだ。でも拭くのに使った紙は?そっちも乾かして捨てないとダメなのか...」
男性の悩みは深まっていく。
「タピオカは?飲みきれなかったら?一体どこに捨てればいいんだ?」
結局、男性は店員の前から逃げ出してしまう。
■スマホをかざして分類
こうした状況に、救いの手を差し伸べたのがECサイトの「タオバオ」だ。7月4日、画像認証システムを利用することでゴミの分類が分かる機能を実装したと発表したのだ。
タオバオのアプリは、読み取った画像を元に、類似した商品を検索することができる。この機能を応用し、スマホでかざしたゴミがどれに分類するかを教えてくれる、というものだ。
筆者のスマホにインストールしてあるタオバオのアプリでも、起動することができた。
試しに、ティッシュ箱を映してみる。白い枠に収まるようにしてみると...
成功はしたが、読み取った品名は「耳機(イヤホン)」。手前のコードを誤って認識してしまったようだ。分類先は「リサイクル」だった。
消費者のニーズを汲んだタオバオの対応に、ネットでは「買うときにゴミの分類まで教えてくれるなんて、買い物アプリの鑑だ」など、絶賛する声も上がっている。