マダニ感染症とは? これまで42人死亡 予防法は?

感染が見つかった地域が北上している。
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石川県は9月3日、60代の男性がマダニにかまれることで発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、死亡したと発表した。北陸地方で確認されたのは初めて。日本では、最も東での発症例になる。

SFTSはウイルスを持ったマダニにかまれることで感染するもの。感染すると6〜14日間の潜伏期間を経て、発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、肉痛、意識障害、皮下出血といった症状が出る。重症化し、死亡することもある。

致死率は6.3〜30%。治療は「熱を冷ます」「痛みを和らげる」といった対症療法しかなく、有効な抗ウイルス薬などはない。感染経路はウイルスを保有しているマダニを介したものが中心だが、血液などの患者体液との接触により、人から人への感染も報告されている。

SFTSは2011年に中国で見つかり、日本では2013年1月に初めて確認された。国立感染症研究所によると、2015年8月26日時点では国内で151人が感染。うち、41人が死亡した。20代の感染者もみられた。

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予防にはマダニに咬まれないことが重要だ。マダニは、主に森林や草むらなどに生息。日本全国に分布している。家庭内にいるダニとは種類が異なり、固い外皮に覆われた比較的大型。吸着されても痛くもかゆくもないので、なかなか気付かず、10日間以上も吸血することもあるという。

マダニが多く生息する場所にレジャーや作業などで行く際には、長袖・長ズボンを着用したり、サンダルなどは避け、首にタオルを巻くなど、肌の露出を少なくすると良い。また、その際にもマダニを目で確認しやすいよう、明るい色のものを着用することが望ましい。屋外活動のあとはシャワーや入浴で、ダニがついていないかチェックするようにすることがポイントだとされる。

ただし、噛まれているのが見つかっても、自分で引きはがすのは禁物。ウイルスを持つマダニの場合、無理に引きはずそうとすると、体液とともに病原体が人間の血液中に入り、病気に感染する危険があるためだ。厚生労働省は、噛まれているのを見つけても、そのままにして皮膚科を受診するよう、呼びかけている