アリゾナ州フェニックスの介護施設で、10年以上意識不明の状態が続いている女性患者が突然出産した事件をめぐり、地元のフェニックス警察署は1月9日、施設の男性職員からDNAを採取していると明かした。
アリゾナ州のテレビ局KTVKなどが報じた。
施設も声明を発表「捜査の進展を歓迎する」
KTVKの報道によると、DNA採取に先立ち事件が起きた施設、ハシエンダ・ヘルスケアは、1月8日夜に声明を発表。
「フェニックス警察署の捜査官は、ハシエンダ・ヘルスケアのスタッフからDNAを採取するための裁判所の捜査令状を出した。社として捜査の進展を歓迎している」とし「この捜査で迅速な結論が出るよう、全力で努力する」とつづった。
被害を受けたのは、29歳のネイティブアメリカンの女性。彼女は14年前の水難事故のあと、少なくとも10年以上植物状態が続き、意思疎通ができないという。
警察署は1月9日現在、容疑者の特定には至っていない。自主的なDNAの採取に応じなかった男性職員に対しては、裁判所の令状を取って対処している。
被害女性の家族の代理人「憤慨し、トラウマを負い、ショックを受けている」
捜査の進展を受け、被害女性の家族の代理人弁護士は「被害者の家族は、施設における娘への虐待、そして養護を怠ったことに対し明らかに憤慨している。トラウマを負い、ショックを受けている」と答えた。
また被害女性の家族は「娘の事件による世間の関心については認識しているが、いまは感情的に公に対して声明を発表する準備ができていない」という。
生まれた男児に対しては「愛情ある家族の中で育てられるでしょう」と述べた。