元TBS支局長を性犯罪被害で告発した女性が会見 性犯罪厳罰化の早期実現求める声高まる

元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏から性犯罪を受けたとして、警視庁に準強姦容疑で被害届を出していた女性が29日、東京地検の不起訴処分を不服として検察審査会に審査を申し立てた。
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pecaphoto77 via Getty Images

元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏に酒を飲まされ乱暴されたとして、警視庁に準強姦容疑で被害届を出していた女性(28)が5月29日、東京地検の不起訴処分を不服として東京検察審査会に審査を申し立てた。一方、今国会に提出された性犯罪を厳罰化する刑法改正案を早く成立させてほしいと、要望する声が高まっている。

申し立てをした女性はフリージャーナリストの詩織さん。名字は伏せたが、顔を出しての異例の記者会見を開いて明らかにした。会見について、共同通信は次の通り伝えた。

女性によると、15年4月、都内で山口氏と会って食事をした後に記憶をなくし、目覚めたらホテルの客室で裸にされ、山口氏が上にまたがっていたとしている。警視庁に被害を届けたが、東京地検は昨年7月に嫌疑不十分で不起訴とした。

女性は、担当警察官から「昨年6月に逮捕状を取ったが、警視庁幹部の指示で逮捕を取りやめた」と説明を受けたと主張。

 

28歳女性「山口敬之氏が乱暴」 不起訴処分に検審申し立て - 共同通信 47NEWSより 2017/05/29 19:39)

詩織さんは「私の知り得ない立場からの力を感じる。法律や捜査機関は被害者を守ってくれない」と話した

山口氏は、安倍晋三首相をよく知るジャーナリストとしてテレビにも出演。首相を密着リポートした「総理」などの著作がある。

会見を受けて山口氏は29日に自身のFacebookを更新し「私は法に触れる事は一切していません」と主張。さらに、「一昨年の6月以降当局の調査に誠心誠意対応しました。当該女性が今回会見で主張した論点も含め、1年4ヶ月にわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でも被疑者でもありません」と反論した

■刑法改正案、国会審議は始まらず

ジャーナリストの江川紹子さんは、詩織さんの会見について次のようなツイートをした。

スポーツ報知によると、詩織さんは会見で「今国会において共謀罪の審議が優先され、先送りになっている強姦罪の改正案がきちんと取りあげられるべき」と主張した。

性犯罪をめぐっては、刑法の改正案が今国会に提出されている。改正案には、被害者の告訴がない場合でも罪に問えるようにすることを柱に、強姦罪の刑の下限を引き上げることや、親などが加害者の場合、暴行や脅迫行為がなくても処罰できるとする規定が盛り込まれている

しかし、「犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」が先に審議され、刑法の改正案の審議はまだ始まっていない状況。国会会期は6月18日までだが、会期延長がなければ成立先送りが現実味を帯びてくるとの指摘もある

性犯罪被害に詳しい太田啓子弁護士は性犯罪に関わる刑法改正について、ブログで「性暴力被害の実情と法律の定めには非常に大きな乖離があり、犯罪として処罰されるべき性暴力が十分に処罰されないという、強い憤りを感じる現状がある」と記し、「非親告罪化は合理的な結論といえ、この点においても改正案の確実な成立を強く期待する」と訴えている。

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