善光寺(長野市)の天台宗側のトップである小松玄澄(げんちょう)・貫主(かんす)(82)が女性職員に対してセクハラや差別発言を繰り返していたとして、善光寺大勧進の信徒総代は6月25日、辞任を求める勧告書を手渡した。毎日新聞などが報じた。
毎日新聞によると、小松貫主はセクハラやパワハラを受けたとして抗議した大勧進の女性職員に対して、2015年に不当な担当替えを命令、別の女性職員に対する差別的発言もしたと勧告書では指摘されている。この行動について、小松貫主側は否定している。勧告に先立ち、天台宗の25寺院の住職らで構成する「一山(いっさん)」も6月23日に小松貫主に本堂への出仕を禁止する通告書を渡している。
善光寺をめぐっては10年以上前から内部でトラブルが続いている。宗教法学会の資料によると、小松貫主は2004年には女性問題や自筆の書を高額で販売した問題などが週刊誌に掲載され、2009年、天台宗の一山代表者は小松貫主を相手取り、辞任や損害賠償の支払いを求めて長野地裁に民事提訴。
2011年の東京高裁での判決では、辞任の請求は棄却されたが、小松貫主に対して慰謝料(一部)の支払いなどを求めた。裁判長から自発的な辞任を促された。
善光寺は無宗派で、天台宗の「善光寺大勧進」と浄土宗の「善光寺大本願」の2つの寺院で共同管理されている。各宗派側から一人ずつ住職を置いており、小松貫主は天台宗側の住職。
善光寺には年間約600万人の参拝客が訪れる。
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