狛江市長がセクハラを認める。「心には一点の曇りもなかった」と釈明

辞意を表明し記者会見を開いた
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セクハラ問題で記者会見する東京都狛江市の高橋都彦市長=21日、東京・狛江市役所
時事通信

セクハラ疑惑で、女性職員4人から実名で抗議文を提出されている東京都狛江市の高橋都彦市長(66)が5月23日、記者会見を開いた。

高橋市長は「ハラスメントとして申し立てられたら認めざるを得ない」とセクハラ行為を認め、市政の混乱を招いたとして辞意を表明した。

市長はこれまで「セクハラはない」と説明し、辞任についても「全く考えていない」と否定。ところが5月22日に女性職員4人が実名で抗議文を提出すると、一転して辞意を示していた。

市長「反論を加えたらもっと市政が混乱する」

高橋市長は会見でセクハラを認める一方、具体的な行為について問われると「記憶にない」と説明。「認識の中ではセクハラのレベルではない」「心に一点の曇りもない」などと述べた。

そのうえで「事例の一つ一つがどうこうではなく、相対として謝罪する」と説明した。

また、辞職を決めた理由については「訴えを受けて辞職する柔軟性がある」「申し立てた人たちに対して反論を加えたら、もっと市政が混乱すると思うので」と主張。

女性職員4人が提出した抗議文には、車内で手を握られたり、エレベーター内で体を密着させられたり、随行先で1時間にわたり尻を触られ続けたことなどの具体的な被害内容が記載されていた。

この点について高橋市長は、「握手のつもりで手を握った行為自体は覚えている」と話したが、それ以外の行為は「何らかのはずみで体のどこかに触ったかもしれない」と言うに留めた。

女性職員たちが被害を訴えたことについて「虚偽のこととは断定できないが、仮に3名の言うことがおかしくても、1名の言うことが正しければ、それはそれでセクハラと受け止めて言っているので、仮に1名であっても、辞任に値する」と主張した。

「狛江一家」はジェネレーションギャップのある人たちの集まり

市長は過去に、報道陣に対して「異性への関心をもとにやったことじゃなくて、『狛江一家』みたいな、家父長的な立場としてやった」と説明していた。

このことに質問が及ぶと、「狛江一家はジェネレーションギャップのある人たちの集まりだという意味。(一家の長として)権力を持っているから何をしてもいいという認識は一切持っていない」などと釈明した。

セクハラに対する認識については「年代間のギャップがあったと思う。文化のギャップもあり、認識が甘かった部分があった」と話した。また、2年ほど前からは「女性との接し方を改めている」といい「以前のように簡単にすぐそばに寄るとかいうことは厳に戒めている」と弁明した。

市民に対しては...

市民に対しては「一方では、こういう話にあまりこだわることなく、しっかり市政運営を担ってほしいという声がある。どういうような伝え方をすればいいかはこれから考えていきたい」とした。

また、女性職員に対しては、5月23日中に謝罪するとして「そういう風に思っているなら、嫌な思いをさせたね、と率直に謝る」と話した。