テニスの全仏オープンに臨んでいるセリーナ・ウィリアムズ選手のユニフォームに、注目が集まっている。
ボディラインが強調される黒の全身スーツは、ただファッションとして着用しているわけではなく、彼女のさまざまな思いが込められていた。
ガーディアンによると、セリーナは2017年9月に娘を出産後、血栓症を患って命の危機にさらされるなど健康面で苦しんでいた。出産後初めての4大大会を戦い抜くために、スーツには血液の循環をよくする機能があるという。
また、出産などを経験した全ての女性を応援するメッセージも込められていると、セリーナは試合後の記者会見で語る。
「このスーツは、身体に対する精神的や肉体的な悩みを乗り越えて、自信を持ち、自分を信じる女性たちの姿を表しています」
さらに、このスーツを着ていると、彼女をヒーローのような気分にもさせてくれるという。映画「ブラックパンサー」に言及しながら、こう語る。
「私は(映画に登場するアフリカの架空の王国)ワカンダ風のスーツと呼んでいます。これを着ていると、戦うワカンダ国の王女になった気分になる。ずっと、ヒーローになりたいと思っていたから。私なりのヒーローになる方法なんです」
そんな思いで大会に臨んだセリーナは、5月29日のシングルス1回戦を勝利で飾った。