つぶやくように詠む! "スマホ時代の川柳"5つの特徴とは

川柳とは、俳句と同じ五・七・五で文字数が規定されているが、季語や切れの制限がなく、口語が主体で字余りや句またがりの破調も見られるなど、とても自由度が高い。
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PR会社や広告会社が、これまでにもっとも多くクライアントに提案してきたキャンペーンは川柳募集コンテストではないだろうか。

川柳とは、俳句と同じ五・七・五で文字数が規定されているが、季語や切れの制限がなく、口語が主体で字余りや句またがりの破調も見られるなど、とても自由度が高い。誰でも簡単に詠むことができるため「サラリーマン川柳コンクール」に代表されるように、実際に企業のキャンペーンで実施されてきた。世相をよく表した作品はメディアにも取り上げられやすく、運営にもあまりコストがかからないことからPR施策として最適であるとされてきた。

ところで、2014年はiPhone6の発売で出現した長蛇の列に代表されるように、スマホ全盛期である。そんなご時世に果たして川柳はどうなっているのかというと、独自の進化を遂げているのである。

これまで川柳の句会は、一カ所に集まり丁寧に一つの句を詠み、そして周りの参加者から評価をもらいつつ、さらに句をブラッシュアップしていくのが通例であり、楽しみであった。しかし、最近では、スマホアプリでつぶやくように詠み、すぐにオンライン上で自分の句についての反応が来るというものになっており、新しい川柳の楽しみ方として普及しつつある。

実際に俳句や川柳を投稿できるスマホアプリ「ごーしちご」の広報を担当している長谷川桃子さんに、"スマホ時代の川柳"の特徴を聞いた。

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その1. 10〜30代が主流に

川柳や俳句は、比較的年齢層が高い人たちや、サラリーマンが詠むもの、というイメージがあるかもしれないが、「ごーしちご」のユーザー属性を見てみると、10代~30代が60%以上を占めている。恋の575、学校川柳、主婦のホンネなどの投稿が活発である。

その2. テレビの感想も、リアルタイムで投稿

たとえば、先日放送された24時間テレビでは、放映時にユーザーが自発的にハッシュタグを設定し番組の内容に合わせた投稿をしていた。「リーダーと 共に完走 宿題が」「私にも 歌って欲しい 負けないで」など、リアルタイムに番組と連動する形で川柳が投稿され盛り上がった。

その3. お題はハッシュタグで

お題を決めるのは詠み手自身であり、ハッシュタグを自由に設定して投稿する場合もあるし、他のユーザーが投稿している内容に合わせて投稿することもある。「ごーしちご」で注目のハッシュタグに上位で掲載されているものは、#今の気持ち #主婦のホンネ #酔いどれ川柳 #返歌よろしく などである。

その4. 共感した内容には、いとおかし(いいね)返歌も五・七・五

今までの川柳や俳句であれば、コンテストに応募するか、実際に集まる句会で作品を出し合い評価するのが一般的だが、スマホでは好きなときに投稿でき、返歌もほぼリアルタイムにし合うことができるので、コミュニケーションがスマホ上で完結する。ちなみに「ごーしちご」では、Facebookでいう「いいね!」の役割を果たすものとして「いとおかし」ボタンというものがあり、自分の投稿にどれだけの人が反応してくれたかがすぐに実感できるようになっている。

その5. 毎日つぶやき感覚で詠める

TwitterやFacebookに投稿するように自由に今の気持ちをつぶやき感覚で投稿している。ルールに縛られすぎていないことで、日常生活の一部として気楽に俳句や川柳を続けられる。

つぶやき感覚で俳句や川柳を詠むので、「ごーしちご」のようなスマホアプリや、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアへ投稿するユーザーも多くみられる。

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なるほど。句会も時代に合わせて新しい形を作りつつあるわけだ。これなら誰でも簡単に川柳を詠む楽しさを実感することができる。

ちなみに、「ごーしちご」でも企業のPRキャンペーンとして川柳コンテストを開催することが可能とのこと。これまでは入選作品がメディアに取り上げられることも重要な目的であったが、今はスマホを起点としてネット上でさまざまな川柳がバイラルすることも期待できそうだ。

いまこそ、あらためてスマホで行う川柳募集コンテストを立案してみてはいかがだろうか。

[DIGITAL BOARD / 國枝 至]