原子力規制委員会は4月19日、川内原発(鹿児島県)の運転停止などを求める意見が、14日の熊本地震発生から18日夜までに約340件寄せられたことを明らかにした。運転継続を求める意見もあったが、「想定外の地震が起これば原発は危険」など、運転停止を求める内容がほとんどだったという。毎日新聞などが報じた。
時事ドットコムによると、18日午後8時44分までに寄せられた意見は、メールが235件、電話やファクス、はがきは約100件あった。これに対し、規制委事務局の原子力規制庁は、「想定外の事象は起きておらず、今のところ運転を止める必要はないと考えている」とコメントした。
川内原発の運転について規制委の田中俊一委員長は18日、「不確実性があることも踏まえて評価しており、想定外の事故が起きるとは判断していない」として、今のところ運転を止める必要はないという考えを示していた。
■原発停止誰が決める?
原発の停止は誰が決めるのか。 原子力防災担当相でもある丸川珠代環境相は「原子力規制委員会がご判断される」などと回答している。
菅直人元首相は19日の衆院環境委員会で、2011年5月に中部電力浜岡原発の運転を停止した例を挙げ、当時は規制委がなかったとしながらも、「今の数字ではなく、将来起こりうる予防的な観点から停止した」として、政治主導で原発を停止したと説明した。さらに菅氏は、「今の鹿児島の場合は、現時点でいろんなことが起こって、まだ収束していない。予防的な観点からしばらく停止することを安倍晋三首相に進言されてはどうか」と、丸川珠代原子力防災担当相に促した。
これに対し丸川氏は「私ども環境省は、原子力規制委員会が独立性を保つために、いかに機能するかということが問われている」とコメント。政治主導による停止は「規制委の独立性を担保することにならない」として、規制委の決定を尊重するとした。
また、丸川氏は原子炉等規制法第64条の「原子力規制委員会は原子炉による災害発生の急迫した危険がある場合において、原子炉による災害を防止するための緊急の必要があると認めるときは、発電用原子炉等、使用施設の使用の停止、その他必要な措置を講ずることを命ずることができる」という条文をあげ、原発停止については「私は、原子力規制委員会がご判断されると思っている」と述べた。
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