シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
アイスバケツチャレンジがsnsで広がりを見せています。私もよくはしらなかったALSを知らしめ、かつ寄付を集めたという点ではとてもよい効果があったのではないかと思いますが、一部では批判も集まっています。
広島で土砂崩れで50名を越える方が無くなる痛ましい大きな災害が起きました。行方不明者の方もいらっしゃる中で、必死の救出、復旧作業が続いています。広島がこういった状況の中において、少しお祭り的にバケツチャレンジを続けるのはいかがなものか、自粛すべきだという批判がありました。
これは3月11日の震災の時も同じことがありました。当時は不謹慎だと言われ、スポーツやその他の華やかなことも自粛すべきだと一部で批判をされました。
さて、ここで私は三つ問いを立てたいと思います。
一つはどこかに大きな被害があった時、人は華やかであることや楽しそうであることを自粛すべきかどうかという点です。確かにお葬式に楽しそうにしていることは明らかに不謹慎ですから、国全体が大きな悲しみに包まれている時にはそう振る舞うべきだという考えも有り得るのではないかと思います。ですが、一方で必ずどこかで何らかの被害や不幸は起きているわけですから、全てを気遣うと常に自粛状態になってしまいます。規模にもよるとは思いますが、例えば今回の場合私たちは自粛をすべきなのでしょうか。
もう一つは、仮に自粛すべきだとなった場合、どの範囲の人までがそうすべきかという点です。例えばハイチで地震があった時、比較的距離的に近いアメリカはすぐ救援に向かい、数日自粛ムードがありましたが、日本ではほとんどそういった動きはありませんでした。また、心情的に関係の深い国に対しては自粛される例もあります。広島での災害に対し、一体どの関係の人までが自粛をすべきなのでしょうか。
更に私たちはいつまで自粛をすべきなのでしょうか。9・11のテロがあった時、アメリカのスタンドアップコメディーと言われる劇場で行われるコメディーが開始するのに注目が集まったことがあります。たしか2週間程度で開始だったように思います。またカトリーナの被害があった時は、一週間後に地元のチームの大会が開かれました。
被害の大きさにもよりますが、いつまで自粛はすべきで、いつから日常に戻ることが許されるのでしょうか。
私たちはどの程度、災害や他者の不幸に対し配慮すべきなのでしょうか。ご意見お待ちしています。
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