1カ月以上の育児休業を取得する男性社員が100%を達成したと、住宅メーカー大手の積水ハウスが発表した。
同社では、男性社員の育児参加を促すために2018年9月から「イクメン休業」の制度を導入。3歳未満の子どもを持つ全社員を対象して、子どもが3歳になるまでに、1カ月以上の育児休業を取得することを目指していた。休業から最初の1カ月を有給としたほか、最大で4分割での取得が可能だという。
開始1年となる2019年8月末時点で取得期限を迎えた男性社員は253人だったが、その全員が1カ月以上の育児休業を取得していたという。
ちなみに厚生労働省によると2018年度の日本全体の男性の育休取得率は、6.15%だ。
■ストックホルムの公園で社長が見た光景がきっかけに
都内で9月19日に開かれたイベント「イクメンフォーラム2019」で、同社の仲井嘉浩(なかい ・よしひろ)社長が登壇した。
仲井社長は、2018年5月にスウェーデンの首都ストックホルムを訪問した際、公園でベビーカーを押している人のほとんどが男性という光景を見て衝撃を受けたというエピソードを紹介した。
スウェーデンの男性は3カ月間、有給で育休を取得できるのが理由だった。帰国後に社内で人事制度を検討したところ「3カ月の育休では決算に影響が出るかもしれない。1カ月で行きましょう」ということになった。こうして、イクメン休業制度がスタートしたのだという。
仲井社長では、スウェーデンでは育児する男性のことを、子供と一緒に公園に行く前に喫茶店でコーヒーを楽しむ姿から「ラテ・ダッド」と呼ぶと説明。「積水ハウスの社員もラテ・ダッドにしたいという思いから制度を作りました」と振り返った。
このフォーラムでは、9月19日を「育休を考える日」として記念日に制定することや、日本全国の育休実態を調査した「イクメン白書」も発表された。