PRESENTED BY 東京観光財団

日本にたった5つだけ!世界自然遺産で「最高の知的体験」を叶える、旅のポイントを紹介

日本の世界自然遺産の見どころや、旅するうえでのポイントを紹介します。

青くきらめく海に、色鮮やかな珊瑚礁。
空高くそびえ立つ、壮大な山々。
木漏れ日のなか、爽やかにせせらぐ川。
耳をすませば聴こえてくる、愛くるしい鳥たちのさえずり――。

日本は、生物多様性が豊かな国です。四季折々に表情を変える、美しい自然が今も多く残っており、国内には5つの世界自然遺産があります。

本記事では、日本の世界自然遺産の見どころや旅するうえでのポイントを紹介していきます。

 

「最高の知的体験」が味わえる。日本の世界自然遺産を紹介。

2024年現在、世界自然遺産には231件が登録されています。

そのうち、日本で登録されているのは、「知床(北海道)」「白神山地(青森県、秋田県)」「小笠原諸島(東京都)」「屋久島(鹿児島県)」「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県、沖縄県)」の5地域。さっそく、それぞれの見どころについて紹介していきます。

 

 ①知床

「知床」の名前の由来を知っていますか? 

実は、アイヌ語で地の果てを意味する「シリエトク」がなまって「知床」の名になったのです。

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春の知床連山。湖に反射した白い山肌が印象的だ

北海道の最北東端。海へ突き出すように細長く延びる半島の中心部には、雄大な知床連山が連なります(女満別空港や根室中標津空港から車やバスで行くことが可能)。

知床はまた、世界でもっとも低緯度に位置する海氷が流れ着くポイントとしても有名。この海氷によってプランクトンが大量に発生し、海と陸の生き物が相互にかかわり合いながら、豊かな生態系を築いています。

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夕焼けに染まった海に浮かぶ海氷。視界一面に広がる夕空と水面は、まさに冬の絶景だ
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アイスダイビング。現地のガイドやインストラクターに案内してもらうことで、美しい自然をさらに深く体験できる

まさに「地の果て」を意味する名の通り、開拓や開発の手が届かない原生の姿を留める知床半島。海と山、そしてその間の海岸では、動植物による命の営みに触れることができます。きっと、その尊さに心動かされるはず。

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キタキツネ。真っ白な雪に顔をうずめて目を閉じる姿が、なんとも愛らしい
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ホエールウォッチング。船に乗り海の生物たちを見学することで、知床の豊かな生態系に触れることができる

②白神山地

白神山地といえば、東アジア最大級のブナ林。

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初夏の白神山地のブナ林。散策道を歩けば、木々がもたらすさまざまな恵みを五感で感じることができる

このブナ林は、約8000年も前からこの地域に生息しているといわれます。いまも人為の影響をほとんど受けていない原生的な森には、さまざまな動植物が暮らし、多様な生態系を保持しています(青森空港や秋田空港から車でアクセス可能)。

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ニホンカモシカ。日本の特別天然記念物に指定されている。出産シーズンの春に白神山地を訪れれば、運良く子連れのニホンカモシカを見ることができる場合も
©️Chiharu Gotoh

また、白神山地の土地は急速な隆起によって形成されため、深い谷や滝などのダイナミックな自然景観に出合うこともできます。

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暗門(あんもん)の滝。三つの大きな滝が懸かる、その壮観は名勝地として人気を博す。毎年初夏に入山が解禁される
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青池(あおいけ)。白神山地の一角にある33の湖の総称である「十二湖(じゅうにこ)」の一つ。透明度が極めて高く、光が当たるとエメラルドブルーに輝く。その神秘的な光景は感性に訴えかけてくる

大地の動きと動植物の営みが互いに作用し、育まれる豊かな生態系。悠久を感じさせる、その神秘的な自然は一生の思い出を与えてくれそうです。

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深浦(ふかうら)町の星空。運が良い日は天の川もくっきりと見えるという。その美しさは「全国で最も星空観察に適した地」のひとつに選ばれたこともあるほど

③小笠原諸島

本州から約1,000km南に離れ、亜熱帯の島々で構成される小笠原諸島(東京都・竹芝ターミナルからフェリーに揺られ、24時間程度でいける)。

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小笠原の青い海。その澄み切った深い青は「ボニンブルー」と呼ばれる。年間を通じてイルカやマッコウクジラたちが泳ぎ、冬にはザトウクジラが出産と子育てにやってくる。まさに母なる海だ
©️Ogasawara Village Tourism Bureau

一度も大陸と地続きになったことのない、この「海洋島」では鳥や風などによって運ばれてきた動植物が、独自の進化を遂げてきました。

この島の魅力は、なんといっても多様な起源の動植物たち。

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光るキノコのヤコウタケ。ナイトツアーに参加すると、現地のガイドにヤコウタケが見られる場所まで案内してもらえるそう。5月〜11月の雨上がりの夜によく見られる
©️Ogasawara Village Tourism Bureau

アカガシラカラスバト、オガサワラオオコウモリ、ムニンヒメツバキ、ノヤシといった固有種から、ザトウクジラやイルカ、アオウミガメ、珊瑚礁などの海洋生物。そして、日本本土起源のナガバキブシまで……。多種多様な生物たちが小笠原を鮮やかに彩ります。

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イルカと一緒に泳ぐ様子。現地のインストラクターの案内で、ドルフィンスイムや南島遊覧ができる。イルカを驚かさないように泳げば、イルカの方から寄ってきてくれることもあるそう
©️Ogasawara Village Tourism Bureau

島の環境に合ったもの、適したものが生き残り、共存する。自然の豊かさと厳しさを味わうことができるでしょう。

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小笠原と聞くと固有の生き物たちをイメージするが、実は夕景も見逃せない魅力。夕暮れ時の輝くオレンジと深い青が溶け合う一瞬は、忘れられない思い出となるはず

④屋久島

鹿児島市から南に約135km、太平洋と東シナ海に面した洋上に浮かぶ屋久島。

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屋久島の縄文杉。屋久島の厳しい自然を生き抜いてきた荘厳な佇まいに圧倒される。樹上には10種類以上の植物が着生し生態系を形成しており、屋久島の多様な環境を物語っている

島でありながら、標高2,000mに迫る峰々を擁し、海岸線から山頂まで日本全体の自然植生が垂直に分布。原生的な天然林には、樹齢数千年にもおよぶスギの巨樹が生育しています。

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黒味岳(くろみだけ)。眼下に広がる雲海。その先には屋久島の最高峰、宮之浦岳が飛び出すように聳える

樹齢2000年から7200年とも言われる縄文杉をはじめ、九州最高峰の宮之浦岳、苔むす森が広がる白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)など見どころが多く、多様な島の自然を楽しむことができます。

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白谷雲水峡。美しい渓流と、何百種類もの苔に覆われた深い緑の森をゆっくりと観察することができる
© K.P.V.B
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ニホンザルの固有亜種であるヤクシマザル。仲良く毛繕いをしていたり、日向ぼっこをしていたりと見ていて心が癒される
© K.P.V.B

⑤奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び、西表島

イリオモテヤマネコ、ルリカケス、カンムリワシ……日本列島の南西部に位置する琉球諸島には、ここでしか見ることのできない固有種をはじめ、希少かつ多様な動植物が生息しています。

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ルリカケス。瑠璃色と赤褐色のコントラストが美しいこの鳥は、奄美大島と加計呂麻島、請島に生息する日本の固有種。天然記念物にも指定されている
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アマミイシカワガエル。「日本で最も美しいカエル」と表現される、鮮やかな緑色に輝く金色の斑紋が特徴。絶滅危惧種に認定された、奄美大島の固有種
©︎Amami City

その起源は、なんと1200万年前。

海面が低くユーラシア大陸と地つづきだったことから、さまざまな陸生生物が渡ってきました。

氷河期をへて島々が形成されたあとも、島々は離れたりくっついたりを繰り返し、その過程のなかで動植物が独自の進化を遂げたそうです。

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アマミノクロウサギ。奄美大島と徳之島のみに生息する特別天然記念物。ずんぐりした体と小さい耳がかわいい。現地のガイドに案内してもらうナイトツアーでは、高確率で出会うことができるそう
©︎iLand

ユニークな生態系が営まれるこの土地では、生き物の進化を知ることができます。その唯一無二の体験は、あなたの知的好奇心を満たしてくれるはず。

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慶佐次川(げさしがわ)をカヌーでくだる様子。下流には沖縄本島最大級のマングローブ林が発達。世界最北端のヤエヤマヒルギ群落を見ることができる
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ヤンバルクイナ。沖縄島北部やんばる地域のみに生息する固有種で、絶滅危惧種に認定されている。胸から腹の横縞模様、くちばしと足の赤色によるコントラストが印象的だ

世界自然遺産とは「未来に引き継いでいくべき宝物」

そもそも世界自然遺産とは、1972年にユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」に基づいて選定、リスト化された自然地域のこと。

「人類共通のかけがえのない財産として、将来の世代に引き継いでいくべき宝物」であり、損傷や破壊などの脅威から保護、保存されています。

5つの世界自然遺産をはじめ、日本には美しく豊かな自然環境がいまも残っています。一方、一部の地域では気候変動やオーバーツーリズムの影響を受け、その姿かたちが大きく変わりつつあることも事実です。

そうした背景から、自然環境や文化など、その土地本来の姿かたちを未来まで保つことができるよう、考慮・配慮して観光する「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」や「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」の考えが注目を集めています。世界自然遺産をはじめ、貴重な自然が息づく旅先をめぐる際は、その土地の持続可能性に配慮し、マナーを守ることが大切です。

そして、旅から帰ったあとには、唯一無二の経験をくれた自然環境を未来の世代へ継承するため、地球への負荷を軽くする行動ができたら、もっと素敵ですね。

 

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