学ランが"ニット素材"、おしゃれ体育着、ダイバーシティ制服… 制服展示会に行ってみたら、進化がすごかった。

アウトドアグッズ風の大きなリュックなど、一般ファッションの流行との呼応も。学生服メーカー「トンボ」の展示会を取材した。
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学生服メーカー「トンボ」の展示会場にて
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時代とともにデザインが進化し、その時を象徴するような着こなしが流行することもある学校制服。近年では、トランスジェンダーの生徒に寄り添った制服が開発されるなどの動きもある。

最近の制服はどうなってるの? 

7月上旬、都内で開かれた学生服メーカー「トンボ」の展示会を取材した。トンボは全国約1万校で制服が採用されている大手メーカーだ。

 

■体育着「軽っ!」

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柄がプリントされた体育着
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会場に入り、最初に驚いたのが制服ではなくて…、体育着たちだ。アスリートが着ていそうな、洗練されたデザインだ。

体育着は布の切り替えでデザインを表現してきたが、最近はグラデーションや緻密な柄が表現できるデジタルプリントの需要が高まっているという。

オシャレなだけでなく、撥水、制電などといった機能面も充実している。

専用の袋に収納すると、手のひらにのせられる大きさに!

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コンパクトに収納できる体育着
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体育着のパンツのすそといえば、昔はチャックがついていたり、足にかけるヒモがついていたりしたが…今はすそがすぼまっているタイプが“トレンド”だという。かかとを踏まず安全で、シルエットも綺麗なのだとか。

最近のティーンの私服では、ストリート風のカジュアルなファッションが人気で、すそがすぼまったジャージーをはいている姿を見かけるので、この体育着がトレンドなのもうなずける。

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すそがすぼまっている体育着のパンツ(左)。小雨に対応できる体育着(右)。
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他にカジュアル服ブームとの呼応を感じたのは、アウトドアグッズ風の大きなリュックだ。スーツ姿の社会人がアウトドアメーカーのリュックを背負っている姿を見かけるが、学生が制服に合わせるアイテムでも大きなリュックが人気だという。

背景には、「脱ゆとり教育」で、中学生の荷物が重くなっている影響もあるという。

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アウトドアグッズを思わせる、大きな通学用リュック
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■ジャケットが「ニット素材」になっていた

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展示会場には様々なデザインの制服が。右上のスカートは、すそがグラデーション模様になっていた。
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制服のコーナーでは多彩なデザインが目を引く。スカートはチェック柄だけでなく、グラデーションや、布の切り替えでデザインが表現されているものもあった。

機能面での変化を感じたのは、ニット素材のジャケットだ。軽くて、ストレッチがきいて動きやすく、シワになりにくく、洗濯機で洗えるのがポイントだという。

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ニットジャケット
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同じ服を何年も着続ける学校制服では、耐久性の点からニットジャケットの導入は難しかったというが、技術向上で可能になってきたのだという。

おなじみの、詰襟制服にもニット素材が登場していた。

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ニット素材の詰襟学生服(左)とポロシャツ。いずれも着ごこちがよく、洗ってもアイロンが不要だという。
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■ジェンダーレス制服

展示会場には「ジェンダーレス制服 自分らしく着る、自分らしく学ぶ」というコーナーもあった。

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ジェンダーレス制服のコーナーでは、複数の型のスラックスや、ダブルのジャケットが展示されていた。
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ボタンのかけかえで「右前」「左前」を変えられるダブルのジャケットや、ファスナータイプの校内着があった。

スラックスは、女性がはいてもヒップが強調されず「メンズライク」に見えるものや、すそに向かってすぼまり足を細く見せるテーパード型など、複数の種類が展示されていた。

会場を案内してくれたトンボ事業開発本部の佐藤望さんは「そもそも制服の選択肢を増やすということや、防寒や自転車通学時の安全などにつなげるという狙いもあります」と話す。

スラックス着用の女子生徒が増えることで、スラックス着用が「ふつう」になり、トランスジェンダーの生徒が不本意に目立つことを避けることにもつながるのだろう。 

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ジェンダーレス制服のコーナーには、複数の型のスラックスが展示されていた。
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展示会場を取材し、素材や技術の改良で、学校・生徒の選択肢が増えていることが実感できた。

自転車通学だった記者は、あのコンパクトな体育着にうらやましさが募った。デザインも素敵で、大人になっても使えそうだ。

学校生活は楽しいことばかりでなく、勉強や部活が大変だったり、人間関係のストレスもあったりする。

生徒が少しでも快適でハッピーな気持ちで過ごすことができるように、制服にはこれからも素敵に進化してほしいと思った。