安倍内閣は、今回10本の法律一括改正法案と新法である国際平和支援法案をまとめて採決を行いました。
政府は自国が攻撃を受けていなくても、他の国が攻撃された際に武力行使ができるという「集団的自衛権の行使」を可能にしました。これは、明らかに戦後一貫して確立してきた憲法9条の解釈に背きます。
また、安保法案の必要性について、安倍内閣は、「安全保障環境の変化」を立法の理由に上げますが、集団的自衛権を行使しなければ、日本の安全が維持できないような変化が起きたことを具体的に示していません。
ペルシャ湾の機雷掃海や日本人のお母さんが乳飲み子を抱えて乗っている米国の艦船の防護など、安倍総理が示した事例は、現在時点で全く必要ないことを国会審議で総理自身が認めました。
これから問われるのは私たち野党がどうするか、です。
まず、立憲主義の下、現実的な平和主義を貫く党をつくらなければなりません。
世界の情勢は刻々と変化しています。今の最大の問題は中東です。今まであった戦争、貧しさ、伝染病などによる病気、教育の不平等などが原因で社会が混乱しています。それを武力で押さえこめることができるのなら、ISは生まれていなかったでしょう。米国同時多発テロがなぜ起きたのか。近年の歴史を見てください。
ただ自分の大事な人を殺されればその憎しみは連鎖するのです。武力だけで押さえこめるものではないのです。パレスチナとイスラエルを見れば終わりのない戦いの無念さが手に取るようにわかります。
だから、私たちは武力を使ってはいけない。
日本は、あまり知られていないのですが、貧困対策や疫病対策で平和に貢献してきました。宗教戦争もしていないからこそ踏み込んでいけることができる立場にあるのです。これまでの日本の努力はこの分野で発揮されてきました。私はどう言われてもなお、日本は武力を使わないで国際平和に貢献する道を選ぶべきだと考えています。
米国にとっても、中東問題はどこかで終わらさなければなりません。日本を使い平和交渉をするカードを持つことが重要であると交渉することもできるはずなのです。そのくらい日本の立ち位置は特別で貴重なのです。
なぜその利点を生かさないのか。外交官の中で私の意見に賛同される方は沢山います。
米国と協調しながら貢献することはいくらでもできます。現実を見ろと言う人がいますが、それは米国の現実をきちんと知らないからです。当然、日本が血を流せと言われている意味もわかります。しかしそれでは米国の本当の意味での助けにはならない。
野党にいる自分の身がとても歯痒い。悔しいです。
平和を守る。しかし暴力に頼らない。その理想は時には苦しいです。馬鹿にされます。
しかし歴史を見てください。日本には日本のやり方がある、そう子供たちに、大人として堂々と示していきたい。
立憲主義の理念に賛同する人を集め、リベラル保守である新党を目指し、安保法制を廃案にしたいと真剣に考え動いています。