米歌手キッド・ロック、スーパー店舗で350人のプレゼント代金をこっそり「肩代わり」

背景には、アメリカの深刻な貧困・格差問題がある。
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キッド・ロック
Dimitrios Kambouris via Getty Images

ミュージシャンのキッド・ロックが「シークレット・サンタ」になった。

キッド・ロックは、地元ナッシュビルのスーパー「ウォルマート」で、近所に住む人たち350人が購入予約していたクリスマス・プレゼントの代金を、勝手に肩代わりした。その額はなんと、8万1000ドル(約913万円)。この太っ腹な決断を米メディアもこぞって報じている

アメリカでは、このような大規模な「シークレット・サンタ」が相次いで登場している。人気俳優のタイラー・ペリーも12月7日、アトランタのウォルマート2店舗で43万ドル分のシークレット・サンタになったとTwitterで報告した。キッド・ロックはタイラーの影響で、行動に移したのだという。

背景にあるのは、アメリカで深刻な問題となっている、貧富の格差問題だ。

クリスマス・プレゼントのために頑張ってお金を貯める、という経験は、多くの人にもあるだろう。

でも、やっとお金が貯まった頃に、商品が売り切れだったら......残念だ。

そこで、頭金を支払って商品を店に取り置きしてもらっておいて、残りの代金と引き換えに商品を受け取る、という「レイアウェイ(Layaway)」という仕組みが、アメリカには根付いている。

別に手数料が必要なことも多く、ちっとも「お買い得」ではない。ようは、日々の生活でカツカツの資金繰りを続ける人たちのためのサービスだ。

セレブたちがレイアウェイの残金をこっそり肩代わりするのは、貧しい人たちへの支援という意味を込めた、「とっておきのサプライズ」というわけだ。

スーパー「ウォルマート(Walmart)」のTwitterアカウントは、キッド・ロックとタイラー・ペリーの2人に向けて、「サイコーにロックですね! 驚愕の優しさに感謝します」とツイートした。

地元メディアでは、代金を支払いに来た人たちが、「支払い済み」と告げられ、感激している様子も報じられている。

貧困を個人で何とかできるわけではない。でもみんなのために何かしたい。そんな気持ちがこもった行動が、アメリカで感動を広げている。

芸能サイトTMZは「次に続くのは誰?」と期待するひと言を添えて、このニュースを報じていた。