アメリカ・ワシントン州の連邦地裁は2月3日、シリア難民やイスラム圏7カ国からの入国を一時禁止するトランプ氏の大統領令について、主要な部分すべての一時差し止めを命じる仮処分を下した。全米に効力が及ぶ。
この判断は、上級審の判決が出るまでの間、全米の入国管理局に対して入国禁止措置をしないようにと命じるもの。
ロイターによると、提訴したのはワシントン州で、その後ミネソタ州が加わった。ロサンゼルス・タイムズによると、ワシントン州のファーガソン司法長官は「大統領令はイスラム教徒に対する宗教的差別であり違憲だ」と主張。仮処分を申し立てていた。
ワシントン州知事は記者会見で、「法律は強力なものだ。大統領を含むすべての人がそれに従う必要がある」と語った。
アメリカ国務省は、同日、トランンプ氏の大統領令によって、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの市民に対して、過去に発行されたおよそ6万件のビザが失効したと発表した。
トランプ氏が1月27日に執行した大統領令は全米の空港で混乱を巻き起こした。発令前にすでにアメリカに向かっていた該当国からの旅行者は、アメリカの空港で何時間も拘束される例が相次ぎ、デモ隊がボランティアに殺到。全米の裁判所では大統領令に異議を唱える訴えが起こされた。
一方、ホワイトハウスのスパイサー報道官は2月3日、「大統領の命令は、国を守ることが目的だ。大統領はアメリカ人を守る憲法上の権限と責任を持っている」とする声明を出し、差し止め命令を阻止するとしている。
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