寒さで泳げなくなった無数のウミガメを救え。大寒波のテキサスで救出作戦(画像集)

力を合わせてカメを助けるボランティアの人たち。自分たちも凍える中で救助活動が行われています
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寒波に襲われたアメリカ・テキサス州で、大勢の人が力を合わせてウミガメの命を救おうとしている。  

2月11日ごろから異常な寒波が襲来したテキサス州では、人間だけでなく、動物も命の危険にさらされている。

寒さで大きな影響を受ける動物の一つが、冷たい水の中で生きていけないウミガメだ。

テキサス州南部のサウス・パドレ・アイランドを拠点にするカメの保護団体「シータートル・インク」によると、地元のボランティアたちが凍てつく海からボートでカメを運び出し、自分たちの車で保護施設に移動させている。  

母は退職した後、冬の間は南テキサスのウミガメ救助センターでボランティアをしています。急な寒波で驚いた亀たちを、センターの人たちが次々と救助しています。これは母が今日送ってくれた、亀を乗せたスバルの自動車のトランクの写真です

保護団体やボランティアに加えて、テキサス州の公園野生生物局も救助に当たっている。

ブラウンズヴィル水路とその周辺の海岸の凍てつく海水から、141匹のウミガメを救出しました。

寒さに弱いウミガメ

ウミガメは、低下した水温に一定期間いることでショック状態に陥ったり、体の機能が低下したりし、死ぬ場合もある。

これは「コールドスタン」と呼ばれる現象で、アメリカ海洋大気庁のウェブサイトには「一般的に水温が10℃以下になると、ウミガメは体が動かなくなり、最終的に泳げなくなって海面に浮きます。海水温が上がらず、救出されないと死ぬ場合もあります」と書かれている。

アメリカ魚類野生生物局によると、テキサス州に生息するカメの5種類が、絶滅の危機に瀕している。

動物保護団体「シータートル・インク」は、これまでに4500匹近いカメを救出したとNPRに語った。

 

また、カメが次々と運ばれてきたためにシータートル・インクの施設では場所が足りなくなったが、地元のコンベンションセンターを一時的な保護施設として使わせてもらえることになったという。

保護センターで場所が足りなくなったので、地元のコンベンションセンターを使わせてもらえることになったそうです。動画は昨日の午後撮影したもの。私に送ってくれる時にはさらに多くのカメが運ばれていて「今夜はもう床に空きがない」と母は言っていました

予断を許さない状況にスペースXも協力

シータートル・インクのウェンディ・ナイト代表によると、同団体は毎年コールドスタンが起きるシーズンの前に、救助トレーニングを実施している。

しかし「これほどの規模でコールドスタンが起きることはここ10年以上なかった」とナイト氏は話している。

また、保護した後も予断を許さない状況が続いている。

テキサス州では嵐の影響で大規模な停電が発生しており、シータートル・インクの施設でも14日午前2時から電力供給が途絶えた。

電気がなければ水槽の水が冷えてしまう。「早く電力が戻らないと、私たち努力は無駄になって今います。一刻も早く、電気が求められる」とナイト氏は14日に危機感を訴えた

ナイト氏によると、この訴えの後に地元の人たちが自家発電機を持ってきたり、自治体が協力したりと助けの手が差し伸べられた。

さらに16日には、以前から共同でカメ保護プロジェクトをしていたスペースXが協力を申し出て、同社から商用の発電機が提供された。

様々な人たちの協力によってカメたちの命をつなぐことができている一方で停電はまだ続いており「1歩進んで数歩下がる」という状況だ、とナイト氏は話している。