内閣府は24日、3期目となる「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」選定のため、自治体に向けた応募要領を発表した。全体計画の提案には新たに「自律的好循環の形成に向けた制度の構築等」の記載項目が追加された。昨年までの2年間で内閣府は60の自治体をSDGs未来都市に選び、うち20自治体の事業計画を「モデル事業」としている。今期の応募は2月18日~3月2日の正午まで。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)
SDGs未来都市は2024年末までに、累計210都市の選定を行う計画で、内閣府はこれまでに2回、合計60都市を選定している。24日、3回目となる2020年度の応募要領が公開され、今回も最大で30都市程度がSDGs未来都市に、うち最大10都市程度が「モデル事業」に選定される予定。
モデル事業に選ばれるのは「特に先導的な事業提案を行った自治体」で、上限3000万円の補助金が支給される。とは言え、補助金頼みの事業提案ではそもそもの「SDGs未来都市」計画が目指す地域の姿は実現できない。「SDGs未来都市」選定は、急激な人口減少への対応に主目的を置く「まち・ひと・しごと創生総合戦略」から派生的に広がる国の地方創生戦略の一環。地域が自立し、住む人や企業、団体が活性化することで「人口の東京圏一極集中」という難題に歯止めをかけ、ひいては少子高齢化を是正することが究極の目的だ。
2020年の応募要領を見てみると、昨年からの変更点として「自律的好循環の形成に向けた制度の構築等」の記載項目が追加され、この項目では、登録や認証制度による地域の事業者との連携が例示されている。昨年末に閣議決定され2020年度から始まる第2期の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受け、選定の段階でより本来の目的に沿った自治体からの提案を引き出す変更といえるだろう。
課題解決に積極的な姿勢の発信と、地域事業者との連携を促進することは自治体にとってもSDGs未来都市に選定される大きなメリットだ。積極的な提案が期待される。
内閣府は1月31日と2月3日の計3回、自治体職員を対象とした、募集に関する説明会を開催する。
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