各国の政府・自治体や企業、大学、NPOなどが「SDGs(エスディージーズ)」の推進に向けて動く。そういった中、SDGsの浸透・実現に向けて期待されるのが、コンサルティングファームの役割だ。SDGsの広がりと共に、関連求人について見ていこう。
「SDGs」とは、世界各国・官民連携で取り組む目標
国連で採択された世界目標が「SDGs」だ。
「貧困」「水・衛生」「気候変動」をはじめとする、解決すべき社会課題の数々。それらを解決し、持続可能なサステナブル社会を実現するために設定された、17のゴールを指している。
(*1)世界を変えるための17の目標/国際連合広報センター提供
2015年から2030年までに、こういった諸目標を世界規模で達成していく計画。日本政府も本腰を入れている。2016年には政府が「SDGs推進本部」を設置。加えて行政・民間セクター・NGO・NPOといったステークホルダーによって構成される「SDGs推進円卓会議」も開かれた。
大手企業を中心に、SDGsは急速に浸透
そして今、大手企業がビジネスを通じてSDGsに取り組む動きも加速。
日清食品の例を見てみよう。
たとえば、同社が独自に開発したのが『大豆ビーフ』だ。世界的な食糧危機や水資源の枯渇に対する解決策の一つとして、今後活用が期待されている。加えて2017年には『日清食品グループ 持続可能な調達方針』を制定。森林破壊防止、生物多様性保全などに配慮された『認証パーム油』の調達を目指すと発表し、注目を集めた。(*2)
また、パナソニックは「健康な生活」「質の高い教育」といった課題に、重点的に取り組む姿勢を見せる。その一例が『ソーラーランタン10万台プロジェクト』。世界の ”無電化地域” に対してソーラーランタンを寄贈する取り組みだ。(*3)
特に先進国であれば、民間企業が SDGs 達成に及ぼす影響も大きい。2030年の目標達成に向け、大手を中心に企業の意識も変わっていくと言えそうだ。
「SDGs経営」に向け、コンサルティングファームに集まる期待
2030年に向け、SDGsに取り組む企業は一層増えていく見込み。「SDGs経営」が求められる流れも生まれつつある。そういった中、コンサルティングファームの存在に期待が集まりはじめている。
たとえば、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は ”『SDGsを使いこなす』企業が勝ち抜く” というコンセプトを発表。クライアント企業のビジネスを通じて、グローバル課題の解決に貢献していく姿勢を見せた。(*4)
またアクセンチュアでは、「SDGs統合推進プログラム」を構築。クライアント企業に対して、SDGsに立脚した中期経営計画の立案や、ビジネスモデルの変革を支援する。(*5)
SDGs推進に向け、事業会社とコンサルティングファームがタッグを組みはじめた。
その一方で、日本でのSDGs認知度は「16.0%(2019年2月現在)」とまだ決して高くないのも事実だ(*6)。いかにして10年後の目標達成を目指していくか。各企業の、今後の動きに注目したい。
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。持続可能な社会の実現に向けて、2015 年の国連サミットで採択された。