スコットランドの独立を問う住民投票、午後2時半頃に結果発表の見通し その後のシナリオは...

スコットランドで9月18日に実施された独立の賛否を問う住民投票が終了し、開票作業が始まった。日本時間の19日午後には大勢が判明する。
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GRETNA GREEN, SCOTLAND - SEPTEMBER 16: Better Together campaigner Monty Lewis holds a Union flag as he lights candles on a cairn near the Scotland England border on September 16, 2014 in Gretna, Scotland. Yes and No supporters are campaigning in the last two days of the referendum to decide if Scotland will become an indpendent country. (Photo by Peter Macdiarmid/Getty Images)
Peter Macdiarmid via Getty Images

スコットランドで9月18日に実施された独立の賛否を問う住民投票が終了し、開票作業が始まった。日本時間の19日午後には大勢が判明する。

BBCによると、予想される登録投票者数は428万3392人で、全有権者の97%に達し、記録的な投票率になる見込み。開票作業は32の自治体に設けられた開票所で始まる。最終投票結果は日本時間の午後2時半から3時半ごろに発表される見通しだ。

ハフポストUS版では、投票結果判明後のシナリオについて、次のように報じている。

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スコットランドの独立を求めるキャンペーンは、ここ数週間でかなりの勢いを増し、投票の結果は僅差の接戦になる様相を呈している。スコットランドの投票者がイギリスから分離することを選択するのであれば、その決定はスコットランド、イングランド、北アイルランド、ウェールズの人々に広範囲に及ぶ影響をもたらすことになる。たとえスコットランドがイギリスの一部として残った場合でも、大きな変化をもたらすことは間違いない。

結果が判明した後に想定されることを以下に記そう。

■独立賛成が上回っても、さらに1年半議論に費やされる。

スコットランド人が独立を支持しても、3世紀以上にわたる政治的および経済的統合を解消することは容易ではない。スコットランドの独立に対する投票から、実際に独立するまでは1年半の手続きが必要となる。その間、最も議論となる問題は、スコットランドの通貨だ。

スコットランド自治政府の首相で、独立賛成派の「Yes」キャンペーンを率いるアレックス・サモンド氏は、独立後のスコットランドがイギリスの通貨ポンドを使い続けることを許されるべきであると主張している。しかしイギリス議会は、なぜイギリスから分離独立する投票を行う国との通貨統合に合意する道理があるのかと疑問を呈し、この可能性はないとの考えだ。

これに対して、サモンド氏は、スコットランドが独立ということになれば、イギリスの負債の一部を引き受けるという提案を取り消すと警告した。イギリス議会が依然として通貨統合を拒否するのであれば、スコットランドは、(エクアドルやエルサルバドルがドルを使うように)非公式にポンドを使い続け、最終的にユーロへ移行しなければならないであろう。しかし、ニューヨークタイムズで経済学者のポール・クルーグマン氏が指摘するように、「リスクは甚大である」。

「2009年頃以降ヨーロッパで起こったあらゆることは、政府を共有せずに通貨を共有することが危険であることを実証している」と、クルーグマン氏は述べている

イギリス国立経済社会研究所は、スコットランドが非公式にポンドを使い、イギリスの負債の一部を引き受けることを拒否すれば、スコットランドは「1年以内に」破たんする可能性があると警告した。

■スコットランドの投票結果は、世界中で独立の動きを活発化させる可能性がある

スコットランドの独立に関する議論は世界の注目を集め、多くの政府は「賛成」投票が自国近隣の独立の動きを刺激する可能性があることを懸念している。

BBCによると、ハンガリーの経済ニュースサイト「ポートフォリオ」は社説で次のように懸念を述べた。「ヨーロッパは、ほぼ確実にスコットランドの独立に感化されるだろう。スペインのカタルーニャ、バスク、ベルギーのフランドル、そしてイタリアのヴェニスでさえも投票結果を注視しており、決定的にこれらの地域の自治権拡大の要求を正当化する可能性がある」

さらに遠いところでは、カナダのケベックから日本の沖縄に至るまで、世界各地の分離派の動向がスコットランドの独立をめぐる投票に影響を受ける可能性がある。

■ イギリスは首相の交代が避けられない

スコットランドが独立すると、デヴィッド・キャメロン首相は辞職が避けられない。彼の政府は、金融引き締め政策のおかげで、すでに支持率が低迷している。そして同性婚やEUメンバーの継続に関する彼の姿勢に対して、彼自身の中道右派政党の多くのメンバーからの批判に直面している。

キャメロン氏は仮にスコットランドが独立しても辞任しないことを表明したが、2015年の次の選挙まで留任したとしても、議会の解散に追い込まれる可能性もある。いずれにしても、首相の政治生命は、投票結果に左右される。

■「反対」投票が上回っても、大きな政治的転換の火付け役となる可能性がある

世論調査などでスコットランド住民の感情が独立賛成が優勢になるにつれ、イギリス議会と政府は、財政、福祉、税制など、防衛や外交を除くほぼすべての政策で、スコットランドにより多くの権限を与えることを立て続けに承認した

仮にスコットランドで独立反対が上回っても、イングランド、ウェールズ、北アイルランドで、スコットランドと同様の自治権拡大を要求するものと思われる。政治家の中には、イギリスの残りの地域と対抗するため、イングランド人のみの議会を求める者もいる。

English Translated by Gengo

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