野球だけじゃない科学の甲子園

全国の高校生が学校対抗で科学の力を競う「第4回科学の甲子園全国大会」が3月20日、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で始まった。
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全国の高校生が学校対抗で科学の力を競う「第4回科学の甲子園全国大会」が3月20日、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で始まった。開会式が行われ、47都道府県の代表校の生徒たち370人がそれぞれのゼッケンをつけて参加した。入場行進では47代表校の生徒が3人ずつ旗を持って壇上に立ち、郷土色もにじませて「頑張るぞ」などとパフォーマンスを見せた。主催の科学技術振興機構の大竹暁(おおたけ さとる)理事が「知恵を絞り、チームワーク、ネットワークに心がけ、交流も深めてほしい」とあいさつ、来賓として茨城県の橋本昌(はしもと まさる)知事らが若い科学者の卵たちを歓迎し、励ました。

選手を代表して、東京都の筑波大学附属駒場高校リーダーの山田巌(やまだ いわお)くんが「『甲子園では野球をするべきだ』という固定観念は人の思考力を奪う。われわれは柔軟な思考をもって何事にも楽しんで当たることを誓います」と力強く選手宣誓をして、引率の教師や父兄が見守るなか、開会式を終えた。

大会は23日まで4日間の日程。各校8人以下でチームを構成し、物理、化学、生物、地学、数学、情報の筆記競技と3種目の実技競技に議論しながら挑戦する。知識だけでなく、考えて議論し合う力も要求される、かなりハードな内容だ。計4種目の配点の合計で順位を決め、総合優勝校には優勝旗も贈られる。会期中の22日午後には、青色発光ダイオード(LED)の発明でノーベル物理学賞を昨年受賞した天野浩(あまの ひろし)名古屋大学教授らが「キミが世界を変える!」と講演し、研究の息吹を伝える特別シンポジウムもある。

この全国大会は、科学好きの裾野を広げ、トップ層の学力伸長も目的として2012年に始まった。過去3回は兵庫県西宮市で開かれたが、4回目の今年から会場を研究学園都市のつくば市に移した。各都道府県の予選には、これまでで最も多い618校7650人がエントリーした。全国大会に参加した生徒たちは各都道府県に、つくば市での全国大会の体験を持ち帰る役割も期待されている。

関連リンク

・「科学の甲子園」ホームページ