作曲家・佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんが、代表作「交響曲第1番 HIROSHIMA」など主要な楽曲を、自分で作曲していないことがわかった。
両耳が聞こえない作曲家として知られ、CDがクラシック曲としては異例の売り上げを記録している佐村河内守さん(50)の「交響曲第1番 HIROSHIMA」などが、別の作曲家によって作られていたことが5日、分かった。
(時事ドットコム「佐村河内さん、作曲せず=番組制作のNHKも謝罪」より 2014/02/05 11:34)
佐村河内さんの代表作とされた「交響曲第1番 HIROSHIMA」は、NHKのドキュメンタリーなどで取り上げられたこともあり、累計10万枚を超える大ヒットとなったが、十数年前から別人が作曲していたという。
代理人は「(作曲した)人物の側にも作曲者として表に出づらい事情があると聞いており、佐村河内が自身を単独の作曲者と表記するようになった」と経緯を説明した。
佐村河内さんはその人物に楽曲のイメージなどを伝え、曲にしてもらっていた。
(47NEWS「特定の人物が十数年作曲 佐村河内さん側が経緯説明」より 2014/02/05)
今回、発表に至った理由は、実際に作曲した人物とのトラブルがあったためと指摘されている。
佐村河内氏の作品を「本当は自分が作曲している」という人物が、その事実を告発する準備。背景には佐村河内氏との間で意見の対立など何らかのトラブルがあったようだ。
(スポニチ「佐村河内守氏の曲は別人作 フィギュア高橋大輔のSP使用曲も」より 2014/02/10)
佐村河内さんの代理人は、以下のようなコメントを発表している。
佐村河内さん側は「きちんとお話しないまま、活動を行ってきたことを心よりおわび申し上げます。ファンの方々を裏切り、関係者の方々を失望させるものであることについては、決して言い訳のできないことであると深く反省している次第です」とのコメントを出した。
(朝日新聞デジタル「「全聾の作曲家」佐村河内守氏、別人が作曲」より 2014/02/05 11:10)
NHKは、報道番組やドキュメンタリーで佐村河内氏を取り上げたことについて、謝罪している。
NHKはこれまで、NHKスペシャルなどの番組やニュースで、佐村河内氏を取り上げました。
取材や制作の過程で、検討やチェックを行いましたが、本人が作曲していないことに気付くことができませんでした。
視聴者の皆様や、番組の取材で協力していただいた方々などに、深くおわびいたします。
(NHKニュース「聴覚障害の作曲家 別人が作曲」より 2014/02/05 07:21)
番組制作者が取材当時からゴーストライターの存在を把握していた可能性を、スポニチは指摘している。
NHKは制作したフリーのディレクターに詳しい制作過程を聴くなど調査を開始。スポニチ本紙の取材でも「確かに共同制作者的な存在はいる」と、いわゆるゴーストライターの存在を認めていた関係者もいるだけに、問題化するのは必至だ。
(スポニチ「佐村河内氏のゴースト疑惑 NHKは知っていた?高橋への影響は…」より 2014/02/05 06:30)
なお、フィギュアスケートの高橋大輔選手がソチ冬季オリンピックで使用する予定の楽曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」も、佐村河内さんが作曲したことになっていたが、ゴーストライターの手によるものだという。CDを販売する日本コロムビアは「驚愕しており、大きな憤りを感じております」とのコメントを発表している。
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