幸せそうな夫夫、ホイエ大臣(左)と夫のソルヴァング氏(右) Photo:Asaki Abumi
政治家は、「国民を映し出す鏡」であるべき。ノルウェーの政治家は、女性、若者、移民、そして多様な性で溢れている。
ノルウェーのベント・ホイエ大臣(45歳・冒頭写真 左が大臣、隣は夫)は、同性愛者として知られている保守党議員。現政権で唯一の同性愛者「大臣」であり、初の同性愛者「保健・ケアサービス大臣」でもある。
「10才くらいの時に、同性愛者だと自覚しはじめましたね。家族や友人にカミングアウトしたのは25歳。今の夫とは幸せに暮らしています」と、ホイエ大臣はインタビューで答えた。この日は、プライド・ウィーク開催中に伴い、LGBTIの生活の質の向上のための「行動計画 2017-2020」が発表されたばかりだった。
ノルウェーでは、1993年に同性間カップルにも結婚と同じ権利を与える「登録パートナーシップ法」が制定。ベンテ氏は、現在の夫であり、保守党党員であるダグ・テリエ・ソルヴァング氏と2000年に籍をいれた。2008年には、すべての人を対象とした新たな結婚法が制定される。
「同性愛者ということが原因で、政治家として壁を感じたことはありません。ソールバルグ首相や同僚の政治家たちは、私が同性愛者だろうと、ずっと前から気づいていました。16年前に国会議員になった時は、私はすでに同性愛者としてオープンでしたよ」。
「全ての人のための政治を実現するためには、LGBTIの声に耳をかたむけることは必要不可欠」と語る大臣。性的少数派の層が「票になる・ならない」からというよりも、「みんなが暮らしやすい社会」をつくるためだと話す。
「もちろん、保守党に投票してくれたら嬉しいですが、有権者は政党の全体的な政策をみて判断していると思います」。
「できる限り、社会を映した鏡であり、さまざまな人のための政策を実現するためにも、政治家に同性愛者がいることは必要でしょうね。同性愛者だけではなく、他の性のあり方に該当する政治家も」。
ホイエ大臣は、「手術なしで6歳から法律上の性別を変更可能とする」法律を今年実現したばかり。自身が同性愛者であることは、この法律を早急に可決させることに影響したかと尋ねると、「そうですね」と答えた。
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Photo&Text: Asaki Abumi