スーツ姿でしか営業ができない人は、つまらない営業マン

先入観は、進化の邪魔にしかなりません。
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Businessmen exchanging cards
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営業マンと言えばスーツ姿で外回りするのが定番です。それが無難ですし、どんな場面でも失礼にならない格好だと思われています。でも同時に、私からすると「つまらない格好だな」としか思えません。

営業マンに限らず、働く人なら誰でも、他の人たちと自分を差別化することが大切なのは言うまでもありません。だから、格好だって差別化するべきなのです。スーツを着て営業することが、すでに自分が「無難な営業マン」になろうとしている、と思わなくてはなりません。

営業は、相手が自分をどう捉えてくれるかがカギになります。

相手に「つまらないな」「無難だな」と思われるくらいなら、スーツを脱いでしまうことも必要です。

もっと言えば、スーツを着ること自体が、相手のことを考えていない、思いやりがない、となってしまう時すらあるのです。

私にも、夏に上下のスーツを来て営業に回っていた時、こんな経験がありました。

保険の営業は、お客様の自宅でお話することが数多くあります。

真夏にスーツを着ていくと、お客様がクーラーの温度を下げたり、冷たい飲み物をすぐに出してくれたりと、いろいろ気を遣わせてしまっていたのです。優しいお客様は、そんな気遣いをしてくれるものなのです。

気を遣わなければいけないのは営業である自分であって、お客様ではありません。

だから、夏に営業する時、私はポロシャツで外回りをします。

今となっては、国を挙げて「クールビズ」を推奨しています。それでも、スーツを着て営業をしている方たちは依然としています。彼らと接していて、いろいろ気づいたことがあります。

彼らは考えが固い、いや、考えが古い。マニュアル通りで、新しい発想を取り入れるスタンスに乏しいのです。営業は上下スーツ姿でなければ失礼だという訳のわからない先入観にどっぷり浸かっているのです。

先入観は、進化の邪魔にしかなりません。

先入観を持つ人は大抵、他人に思いやりがなく、自己中心的です。そもそも、上下スーツ姿がちゃんとした格好なんだと捉えている人は、クールビズはちゃんとしていないと捉えているのでしょうか? だとすれば、クールビズを実践している人に失礼ですし、ただの勘違いでしかありません。

ちゃんとしていると思われたくて、真夏に上下スーツを着るのは自分本位の考え方ですし、お客様に気を遣わせてまで、自分がきっちりしていることをアピールするのは本末転倒です。そんな人が相手を思いやることなんてできると思えません。そういう人に限って、自分に都合の良い契約を取ろうとしてるのではないでしょうか。

上下スーツ姿でいることがちゃんとしている、というわけではないでしょうし、スーツ姿でなければちゃんとしていると思われないのなら、むしろそれを問題にすべきでしょう。ちゃんとした「中身」があれば必要のないことです。今は、時代の流れに乗ってクールビズを取り入れればいいだけの話です。

外見ばかりに気を取られ、スーツ姿で滝のような汗を流している人は、だいたい中身が伴っていない人なのです。お客様との会話も抽象的ですし、表現力にも乏しい。具体的なことが言えないからつまらない話ばかり上滑りするか、自分のどうでもいい経験談をひけらかすことになります。スーツ姿の人たち全員がそういうわけではありませんが、多いのは事実です。

「自分がどう見られたいのか」なんてどうでもいいのです。主役はお客様なのですから、お客様がどう思うかが第一ですし、お客様に気を遣わせないような工夫をもっと考えたいものです。