真ん中の矢印にカーソルをあわせて、左右にスライドさせると、植物の受粉をする虫がいなくなったら食べることができなくなる農産物や乳製品を知ることができる
ルッコラやビーツ、フェタチーズ、ひまわりの種。アメリカの自然食品を多く取り扱う高級スーパーチェーン「ホールフーズ・マーケット」のサラダバーには、いつもおいしそうな野菜が並んでいる。
自然食品を意味するホールフードが店名になっているこのスーパーチェーンでは、植物の受粉をする虫がいなくなったら食べることができなくなる農産物や乳製品を、売り場から一時的に撤去するイベントを2013年から行っている。虫たちが果たしている重要な役割を消費者に実感してもらうためだ。
今年はハチの保護キャンペーン「Share The Buzz」の一環として、虫たちが現在のペースで減少を続けたらなくなってしまう可能性のある食品37種類が、サラダバーから姿を消した。
ホールフーズ・マーケット国際食品部のエロール・シュバイツァー氏は「花粉を運ぶ虫たちを、製品の原材料が生産されてから消費者に届くまでの一連の工程(サプライチェーン)に欠かせないものだと考える必要がある」と話す。「昆虫がいなくなったら、食品会社のほとんどは立ち行かなくなるでしょう」
世界中の食品の3分の1近くが、虫たちに依存している。しかし、現在ハチの大量死や、北米地域に生息する大型の蝶「オオカバマダラ」の激減が問題になっている。アメリカ農務省や独立行政法人はこうした現象を食い止めようと対策を講じているものの、虫たちの減少は続いている。
虫の減少を食い止めるために私たち個人が出来ることはあるのだろうか? 野生動物の保護活動を行うNPO「Xerces Society」で虫の保護プログラムに携わるエリック・マーダー氏によると、それは私たち一人一人が、住んでいる場所固有の野生の花を植えることだという。
「とても単純なことに思えるかもしれませんが、これこそが私たち誰もができる対策です。畑を持っている農家の人でも、ニューヨークに住んでいて植木鉢しか持ってない人でもできます。全員が植木鉢に1本のヒマワリを植えてベランダに置けば、大きな庭になるのです」とマーダー氏は話す。
ミツバチやチョウだけではなく、スズメガやホタルといった虫たちも受粉をしている。私たちが大好きなチョコレートの原料であるカカオを受粉しているのは小さなハエだ。チョコレートやアーモンド、そしてトマトやきゅうりが食べられなくなる前に、私たちは行動を起こす必要があるだろう。
画像にカーソルを置くと表示される○の部分に「花粉を運ぶ虫たちがいなくなったら存在しなくなる食品」の名前が表示される。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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