800メートルリレーで自身のタイムをチェックするライアン・ロクテ
アメリカ競泳男子代表で800メートルリレーの金メダリスト、ライアン・ロクテは8月19日、他の競泳代表選手3人とリオ市内で銃を突き付けられ、強盗被害にあったと主張した自身の行動についてTwitterで謝罪した。
「先週末に私がとった行動について謝罪します。あまり注意を払わず、その日の未明に起きたことを正直に説明しなかったこと、そして、夢をかなえてオリンピックに参加している多くのアスリートたちに集まるべきなのに、注目をそらしてしまっていることについても謝罪します」と、ロクテは自身のTwitterアカウントに投稿した。
ロクテはNBCのビリー・ブッシュ記者の取材に答え、14日未明にリオ市内でチームメイトのジョセフ・ベンツ、ジャック・コンガー、ジミー・フィーゲンとタクシーで選手村に戻る途中、警察を装った男たちに銃を突き付けられ、強盗に遭ったと語っていた。その後、ロクテ選手はNBCのキャスター、マット・ラウアーに事件について話した時、その話の内容を部分的に変えた。彼が当初主張していた内容と監視カメラの映像も食い違っていた。ABCニュースによると、映像にはガソリンスタンドのトイレのドアを壊し、警備員と争っていた競泳選手たちが姿が映像に映っていた。
ガソリンスタンドのトイレから出てくるロクテら選手たち
彼らの証言に疑惑が浮上した17日、ブラジルの裁判所はロクテとフィーゲンのパスポートを没収するように命令したが、ロクテはすでに出国していた。コンガーとベンツは事情聴取のため、アメリカへ帰国する飛行機から下ろされ、拘束された。
コンガーとベンツは19日釈放され、フィーゲンはブラジルから出国許可のため罰金1万800ドル(約108万円)の支払いに応じた。
ロクテは謝罪文でも、あくまで自身の証言の詳細にこだわっているようだ。
「言葉の壁がある外国、友人と深夜に外出して、見知らぬ人に銃を突きつけられ、逃がしてもらうために金を要求されるのは、トラウマになるような経験でした」と、ロクテはコメントしている。
リオオリンピックのスポークスマン、マリオ・アンドラーダ氏は18日、両選手からの謝罪は不要とする声明を発表した。
「彼らにチャンスをあげようではないか。誰にだって時に後悔するような行動を取ってしまうことはあるものだ。彼らは素晴らしいスポーツ選手だ」と、18日の記者会見でアンドラダ氏は語った。「ロクテは史上最高の競泳選手でもある。彼らは楽しい時を過ごしたが、間違いも犯してしまった。人生とはそういうものだ。人生は長いんだ」
ロクテの謝罪全文は以下の通り。ロクテは謝罪文でも、あくまで自身の証言の詳細にこだわっているようだ。
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先週末に私がとった行動について謝罪します。あまり注意を払わず、その日の未明に起きたことを正直に説明しなかったこと、そして、夢をかなえてオリンピックに参加している多くのアスリートたちに集まるべきなのに、注目をそらしてしまっていることについても謝罪します。法的な問題がクリアされ、チームメートが安全にアメリカに到着するのがはっきりするまで、こうした考えを表明するのを待ちました。
言葉の壁がある外国、友人と深夜に外出して、見知らぬ人に銃を突きつけられ、逃がしてもらうために金を要求されるのは、トラウマになるような経験でした。しかしあの夜、他人の行動がどうであれ、どう自分が振るまうか、もっと責任を持つべきでした。その点に関してチームメート、応援して下さる方々、仲間の競技者たち、スポンサー、そしてこの素晴らしい大会の開催に携わる方々にお詫び申し上げます。私はオリンピック競技で国の代表であることに強い誇りを持っており、今回の出来事は避けることができたし、避けるべき状況でした。私は今回の出来事で自分の役割に責任を受け入れ、貴重な教訓を得ました。
アメリカ水泳チームの仲間とアメリカオリンピック委員会に感謝しています。そして国際オリンピック委員会と2016年リオ五輪開催委員会のお力添えに、そして私たちをリオで歓迎しオリンピックの試合が生涯残る素晴らしい思い出作りになるよう尽力して下さったブラジルの方々に感謝しています。先週末に起こったことに関してはもうすでに多くが語られ、たくさんの貴重な時間と労力が費やされましたので、競技に関する話やパフォーマンスを賞賛することに自分たちの時間を使い、将来を見据えられるようになることを願います。
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ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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