イーロン・マスク氏のプライベートジェットを追跡するアカウントを作った学生が、新たにロシアのオリガルヒ(政権と深い関係のあるロシアの新興財閥)の航空機を追うアカウントを立ち上げた。
この追跡アカウント「ロシア・オルガルヒ・ジェット」を作ったのは、アメリカ・セントラルフロリダ大学で情報技術を専攻する19歳のジャック・スウィーニー氏だ。
スウィーニー氏は、公開されているデータを利用して航空機を追跡し、それをボットで自動投稿する アカウントを複数運営している。その一つがマスク氏のプライベートジェット追跡「イーロン・マスクのジェット」だ。
スウィーニー氏は2022年1月、マスク氏から「5000ドル支払うからプライベートジェット追跡を止めて欲しい」と求められたことが報じられ、一躍有名になった。
スウィーニー氏はオファーを断り「5万ドルに引き上げてくれれば、学費とテスラのモデル3が買える」と値上げを交渉したが、マスク氏からの返事は途切れた。
ロシア富豪の航空機を追う
ロシア軍のウクライナ侵攻が始まったのは2月24日。NBCによると、スウィーニー氏は周りから「プーチン氏を追跡できないか」と尋ねられた。
ジェット機で飛び回るタイプではないプーチン大統領を追うことは難しかったものの、 スウィーニー氏は公開データをもとに、ロシアの富豪たちの飛行機の動きを追跡する「ロシア・オルガルヒ・ジェット」を作ることにしたという。
現在アカウントは、20人近いロシア資産家のプライベートジェットやヘリコプターなどを追跡しており、対象者にはロシア随一の富豪として知られるウラジーミル・ポターニン氏や、イングランドのプロサッカーチーム「チェルシー」オーナーのロマン・アブラモビッチ氏が含まれる。
アカウントは2月26日に投稿を開始したばかりだが、日本時間3月1日15時時点で、8万6000人以上がフォローしている。
ロシアがウクライナに侵攻を開始した後、西側諸国はロシア政府と深い関係を持つ富豪にも厳しい目を向けており、資産凍結の可能性も警告している。
そういった中で、ロシアの富豪がヨットなどをアメリカと引渡条約を結んでいない国に移動させようとする動きもある。
「ロシア・オルガルヒ・ジェット」では、飛行機に実際に乗っている人物の詳細などまではわからないものの、富豪の資産の物理的な動向は、多くの人に注目されているようだ。