ロシア軍がシリアに向けた巡航ミサイルがイランに着弾か

IS(イスラム国)掃討を理由にシリア領内での軍事行動を開始したロシアが10月8日、シリアに向けて放った巡航ミサイルがイラン領内に着弾したとみられる。
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ロシア国防省が発表した巡航ミサイル発射の写真(Russian Defense Ministry Press Service via AP)

ロシア軍が10月8日にシリアへ向けて放った巡航ミサイルが、イラン領内に着弾したとみられるとCNNが報じた。ロシアはIS(イスラム国)掃討を理由に、9月30日からシリア領内での軍事行動を開始していた。

CNNが2人のアメリカ政府の情報筋から得た情報によると、このミサイルはカスピ海に展開しているロシアの巡洋艦から発射されたという。

カスピ海からシリアへのミサイルの飛行経路は、イラン・イラク両国の領空を通過する。情報筋がCNNに語ったところによると、ロシアは、戦闘で初めて巡航ミサイル「カリブル」を試しているという。

この報道は、イラン北西部で爆発があったというイランのメディアの報道とも一致する。国営イラン通信(IRNA)によると、イラン北西部にあるタカーブの州知事は8日、「未確認の飛行物体」がタカーブ近郊に落下し、爆発したと述べた。しかし、イラン通信の記事ではドローンの写真も含まれており、落下・爆発したものの詳細は明らかになっていない。

イラン人ジャーナリストはTwitterで、タカーブ州で爆発が発生した証拠として、同州の声明を投稿した。

今回の爆発で、イラン人に負傷者がいるかどうかは明らかになっていない。

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イランに着弾したとみられる今回の出来事は、ロシアのプーチン大統領にとって痛手となりそうだ。プーチン大統領は9月30日からISを含むシリアの反体制勢力への攻撃に踏み切った。ロシアは同盟関係にあるシリアのアサド大統領を支援することを表明し、「アメリカの目的はISの壊滅にあるが、他の反体制勢力も攻撃目標になる」と述べ、アメリカ政府から批判を受けた。

アメリカのアシュトン・カーター国防長官は8日、ベルギーの首都ブリュッセルで行われたNATO(北大西洋条約機構)の記者会見で、シリアの過激派ではない反体制勢力に対するロシアの爆撃を非難した。カーター国防長官は「根本的に戦略が誤っている」と述べ、「シリアの内戦が激化し、長期化することになる」と懸念を表明した。

「私たちは、ロシアがこうした誤った戦略をとり続ける限りは彼らと協力してこなかったし、これからもしない」とカーター国防長官は述べた。アメリカとロシアは両国の戦闘機同士の事故を防ぐために高官レベルでの会合を行ってきたが、カーター国防長官はロシア軍の戦略は「次第に素人のようなものになっている」と述べ、アメリカと十分な情報交換を行わないロシア軍を非難した。

「彼らはトルコの空軍基地に侵入している。そこにはアメリカ軍がいることは今週初めの段階ではっきりしていた。そして今日ここブリュッセルで、トルコの空軍基地はNATOの空軍基地だと確認している。ロシアはカスピ海から警告なしに巡航ミサイルを発射した」とカーター国防長官は述べた。「ロシア軍はアメリカの非戦闘用の航空機がある場所の近くまで近づいている」

カーター国防長官は、ロシアがアサド大統領を支援するのはロシアの国益に沿った行動だとしても短絡的だと述べ、ロシアは今後シリアの犠牲者の増大に苦しめられるだろうと予測した。

イランもシリアの主要な反体制勢力を壊滅させるため、4年間にわたって軍事行動を展開してアサド政権を支援している。

アメリカ国防総省は今回の件についてのコメントを拒否した。イラン政府とロシア政府は声明を発表していない。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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