トランプ氏とロシアの関係、疑惑深まる フリン氏「免責あれば証言する」⇒議会は拒否

特別情報委員会は、フリン氏の要望を却下した。
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White House National Security Advisor Michael Flynn (C) arrives prior to a joint news conference between Canadian Prime Minister Justin Trudeau and U.S. President Donald Trump at the White House in Washington, U.S., February 13, 2017. REUTERS/Carlos Barria
Carlos Barria / Reuters

アメリカのドナルド・トランプ大統領の補佐官(国家安全保障担当)だったマイケル・フリン氏が3月30日、大統領選でロシアの干渉があったとされる疑惑について、訴追免責を条件に議会で証言する意向を示した。

フリン氏は2月13日、トランプ氏が大統領就任前に駐米ロシア大使と接触した疑惑を受けて大統領補佐官を辞任している。

トランプ大統領就任前にフリン氏はセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と連絡をとり、経済制裁解除について協議していた疑惑が報じられていた。フリン氏の行動は、民間人が外交政策を禁じる法律に違反する可能性がある。

フリン氏は当初接触を否定し、マイク・ペンス副大統領も繰り返し疑惑を否定していたが、後に事実を認め、ペンス大統領に正確な報告をしなかったことで政権内の信頼を失い、辞任に追い込まれた。

大統領選へのロシアの干渉を調査している連邦捜査局(FBI)と上院議会の特別情報委員会に対し、フリン氏は訴追免責を受けられるなら議会で証言する意向を示したと、ウォール・ストリートジャーナルが30日に報道した。

「フリン氏には確かに語るべき話があり、状況が許せば話したいと強く願っている」と、30日夕方、フリン氏の弁護士ロバート・ケルナー氏が声明を発表した。ケルナー氏は、トランプ氏を支持しないと公に表明している弁護士でもある。

しかし特別情報委員会は31日、フリン氏の要望を却下し、ケルナー氏に対して「極めて時期尚早」で、今回は「検討されていない」と伝えたとNBCニュースが報じた。上院議会の職員もハフィントンポストUS版にこの事実を認めた。特別情報委員会からはコメントを得られなかった。

下院特別情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は30日に声明を発表し、下院特別情報委員会ではフリン氏の申し出を検討すると述べた。

「アメリカ大統領の国家安全保障補佐官を務めた人物が訴追免責を求めるのは、極めて重要な措置だと認識するべきだ」と、シフ委員長は述べた。「この問題については、上院特別情報委員会の幹部や司法省と協議する。フリン氏は我々の委員会にとって大きな関心である一方、この問題は司法省も関心があることだと強く意識している」

ケルナー氏は、フリン氏が疑われるような行動を取ったのではないかとの憶測を払拭しようと、「弁護士の助言を受けている分別ある人間なら、このように極めて政治的な魔女狩りのような状況で、不当な訴追を受けないという保証がないままに証言をしようとは思わない」と、声明で述べた。

フリン氏がケルナー氏を起用したのは注目すべき点だ。ケルナー氏は、大統領選でトランプ氏を厳しく批判していた。特にトランプ陣営とロシアの関与について疑問を呈していた。

トランプが最悪なのは、私たちの党の首脳を中傷し、自分と同レベルに貶めるやり方をしていることだ。

モスクワ・センター(旧KGB本館)では、トランプ陣営責任者との間の無線連絡網を今夜復旧させようと、懸命に作業している。トランプが形だけの謝罪をしたのを見ると、孤立しているようだ。

1964年の大統領選に出馬したゴールドウォーターになぞらえるのは失礼だ。ゴールドウォーターは立派なアメリカ人で、信念がある自由主義者だった。トランプは節操のない自由主義者だ。

駄目だ。勝とうが負けようが、トランプの応援をするなんてモラルに反する行為だ。

そういえば、誰か記者が生中継に出ているドナルドに、最近読んだ本5冊は何か聞いてくれないかな。ぜひ知りたいものだ。

トランプ氏は31日朝ツイートし、フリン氏が刑事免責を求めていることを支持すると述べた。そして情報機関や議会による調査を「魔女狩り」だと批判した。

マイク・フリンは刑事免責を求めた方がよい。これはメディアや民主党による歴史的な魔女狩り(選挙に大敗した言い訳)だ!

下院監査・政府改革委員会のジェイソン・チャフェッツ委員長(共和党)はトランプ氏のツイートに反論し、FOXニュースの取材で、フリン氏が刑事免責を求める理由が分からないと述べた。

「これは魔女狩りではない」と、チャフェッツ委員長は否定した。「なぜ急にフリン氏が刑事免責を求めるようになったのか、私にもさっぱりわからない。議会はフリン氏に刑事免責を与えるべきでない。FBIが公開捜査に踏み切れば、刑事免責どころではないからだ。大統領がこの件に介入するのはいかがなものか。実際に訴追があるとしたら、これはFBIの仕事だ」

以前、トランプ大統領は刑事免責についてやや批判的な立場で、支持者に対してこう語っていた。「無実なら、刑事免責など必要ないだろう?」

本日(3月31日)のトランプ氏の発言「マイク・フリンは刑事免責を求めてしかるべきだ」

2016年9月27日のトランプ氏の発言「無実なら、刑事免責など必要ないだろう?」

ホワイトハウスは議会の調査に協力的だ。さらに、大統領選中バラク・オバマ大統領がトランプタワーを盗聴していた、というトランプ大統領の根拠のない主張に関しても調査すべきという姿勢だ。FBIのジェームズ・コミー長官は下院特別情報委員会に対し、トランプ大統領の盗聴被害の主張を裏付ける証拠はないと述べた。しかし、情報委員会のデビン・ヌネス委員長(共和党)は22日、情報機関が外国のスパイと疑われる人物を対象とした通常の監視活動中、トランプ氏の政権移行チームの発言を偶然に傍受した証拠を多数確認したと語った。

ヌネス氏はこの情報を、下院特別情報委員会に通知せずにメディアに公表し、ホワイトハウスに報告したため、同氏は23日に委員会のメンバーに謝罪。情報提供者は、ホワイトハウスの職員だと判明している。

ヌネス委員長がホワイトハウスと協力して調査妨害をしているとう批判が高まり、上院特別情報委員会の調査の行方の方に注目が集まっている。上院では今週から公聴会を開始しており、「超党派の立場で調査に臨む」と明言している。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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