コウノトリが卵を温め、孵化する様子を捉えた映像がネット上で話題になっている。 巣の目下に広がる大地を、大規模な火災が襲う瞬間が撮影されていたからだ。
コウノトリや卵は被害を免れ、火災が過ぎた数日後、無事に孵化した。
世界自然保護基金(WWF)のロシア支部が5月6日に報告した。
映像が撮影されたのはロシア・アムール州。鳥類学者がコウノトリの巣を観察するために設置したカメラに、火災から孵化までの様子が映っている。ABCニュースが、その一部をTwitterに投稿した。
4月28日午後5時半ごろ、巣の周辺を大規模な火災が横断する様子が映っており、親鳥が巣の中で小さな卵を温め、守ろうとしているように見える。
映像は5月14日に切り替わり、ひな鳥が無事に孵化したことが確認できる。コウノトリは絶滅の恐れがあり、ロシアの絶滅危惧種に指定されている。
モスクワタイムズによると、この地域では毎年大規模な火災が相次いでおり、鳥の巣が破壊され、多くのひな鳥が命を落としているという。 ロシア国内では5月14日だけでも火災が49件あり、計約3万ヘクタールを焼く被害が起きているという。
壮絶な映像に、ネット上では「恐ろしい。親鳥が無事でよかった」「衝撃的。美しいと同時に悲しくもある」と衝撃と安堵が広がった。