安倍晋三首相の側近、萩生田光一・官房副長官の発言が物議を醸した。
萩生田氏は11月23日、櫻井よしこ氏が理事長を務める「国家基本問題研究所」主催のシンポジウムで、環太平洋経済連携協定(TPP)の審議に臨む野党の姿勢を、以下のように皮肉った。
「強行採決なんてのは、世の中にあり得ない。審議が終わって、採決を強行的に邪魔をする人たちがいるだけでありまして。じゃあ、あの(野党の)人たちが本当に声を枯らせて質問書を破りながら腹の底から怒っているかといったら、『田舎のプロレス』と言ったらプロレスの人に怒られるが、ここでロープに投げたら返ってきて、空手チョップで一回倒れて、みたいなやりとりの中でやっている。ある意味、茶番だと思いまして、もうそろそろこういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」
(「強行採決は田舎のプロレス」首相側近、持論次々に:朝日新聞デジタルより 2016/11/23 21:45)
野党は反発した。民進党の山井和則国対委員長は24日「国会審議に対する侮辱」「私もプロレスファンの一人だが、プロレスに対しても田舎に対しても失礼だ」と、撤回しなければ今後の審議の日程協議に応じない意向を表明。初代タイガーマスク・佐山聡氏率いるプロレス団体「リアルジャパンプロレス」のコミッショナーを務める民進党の榛葉賀津也・参院国対委員長も「プロレスの『プ』の字も知らないヤツが何を言うか。ガチンコのプロレスを(国会で)やってやる」と怒った。
俺と勝負するか?
萩生田氏は24日の衆院議院運営委員会理事会で「発言には不適切な部分もあり、結果として、そのように受け取られたとしたら不徳の致すところだ」と謝罪し、発言を撤回した。
■ #田舎のプロレス で熱くなる人々
Twitterでは「#田舎のプロレス」というハッシュタグができ、真剣勝負で地方に娯楽と希望を与えたプロレスへの賛歌が書き込まれている。
当事者はどう考えているのか。ハフィントンポストは、地方を拠点に活動するプロレス団体の草分け的な「みちのくプロレス」に電話で取材した。担当者は「コメントは特にない」と話した。
【UPDATE】2016/11/25 14:45 コメントを追記しました。