ESAの彗星探査機ロゼッタ(Rosetta)が、最後の任務となった67Pチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へのハードランディングを達成、彗星を追いかけ続けた12年半、およそ60億kmの旅を終えました。
日本時間の9月30日早朝、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星からおよそ19キロの位置にいたロゼッタは、地上管制から指示を受けて軌道を外れ、彗星の地表へと向かいました。
ロゼッタは彗星への接近中も安住の地となる彗星の画像を次々と地球へ送り続けました。最後の1枚は彗星から51mの高さで撮影したもの(その後のデータ解析で実際は高度約20mほどだったと判明)で、あまりの近さにフォーカスが合いませんでした。また最後の1枚を撮影する頃には、地表付近のガスの分析データも地球へと送り届けました。
そして、日本時間9月30日の午後7時40分ごろ、ロゼッタは相棒のフィラエが眠るのと同じ小さな彗星の彗星の上に降り立ちました。
ハードランディングとはいえフィラエのときのようにバウンドしてしまうのを避けるためか、接近速度は秒速1m弱に設定されました。実質的には着陸といったほうが良いのかもしれません。
ESAは、ドイツ航空宇宙センター(DLR)の管制室スクリーンからロゼッタのシグナルが消滅したのを確認し、ミッションの終了を宣言。大きな拍手と歓声で12年半の長いミッション完了を祝いました。
なお、ESAのロゼッタ公式ツイッターアカウントは、世界各国の言葉でロゼッタの任務完了をツイートしました。そのツイートに添付されたイラスト群は、ロゼッタとフィラエが地球を飛び出してからの12年半を連ねたものとなっています。
(2016年10月1日 Engadget日本版「彗星探査機ロゼッタ、追いかけ続けた彗星への着陸ですべての任務を完了。12年半、60億kmの旅を完遂」より転載)
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