ミャンマー西部ラカイン州で、8月25日から続いている治安部隊と武装勢力との戦闘。武装集団が停戦を申し出たのに対し、政府側は9月11日までに、これを拒否すると表明した。CNNなどが報じた。
戦闘を逃れ、隣国バングラデシュに避難したイスラム系少数派ロヒンギャは、国際移住機関(IOM)によると、9日までに29万人に達したという。
その多くは女性や子ども、高齢者だが、たどり着いても十分な支援はない。避難中に船が沈没し、水死も相次いでいる。現地はいま、どうなっているのか。子どもたちは——。写真で伝える。
■ミャンマーの少数派「ロヒンギャ」
仏教徒の多いミャンマー。政府は以前からイスラム系少数派のロヒンギャをバングラデシュからの「不法移民」として市民権を否定しており、130万人が無国籍状態のままだ。
ロヒンギャは迫害を受けて貧困に苦しんでおり、また2012年には、西部ラカイン州の仏教徒との間で大きな衝突が起きて14万人が避難民になった。
2017年1月にも、家族と一緒にバングラデシュに逃れようとした1歳4カ月の男の子の赤ちゃんが海岸に打ち上げられ、その写真が世界に衝撃を与えた。
■スーチー氏「偽情報の巨大氷山の一角」
8月の危機発生後、ミャンマーの事実上の指導者、アウンサンスーチー国家顧問兼外相が問題に言及しないことに、国際人権団体からは批判の声が上がっていた。
スーチー氏は5日、ロヒンギャが多く暮らす西部ラカイン州に住む住民について「誰もが法の下で守られるようにしたい」と述べ、保護に取り組む姿勢を強調する一方で、問題解決には時間がかかるという見方を示した。
しかし、ロヒンギャが治安部隊に迫害されているという情報は「偽情報の巨大氷山の一角」だと強く非難した。