12月27日から3夜連続で放送が始まったNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」。奇妙な事件に遭遇する漫画家・岸辺露伴を高橋一生さんが熱演しているが、もう一つの見所は岸辺露伴が住むレトロな豪邸だ。
吹き抜けの天井や石造りの壁、暖炉など。「一度でいいから、こんな家に住んでみたい」と思った方も多いのではないだろうか。
筆者もその一人だが、調べてみるとこの「岸辺露伴の家」は一般人も宿泊可能だと判明した。
■フランク・ロイド・ライトの弟子が手がけた名建築
三井物産のロンドン支店長や重役を歴任した加地利夫(かち・としお)さんの別邸として、1928年に建てられた。設計を担当した遠藤新(えんどう・あらた)さんは、帝国ホテルなどを手がけたフランク・ロイド・ライトの弟子として知られている。
Discover Japanによると加地邸は、ライトの建築哲学「プレーリースタイル」を採用し、周囲の緑と一体になるように建てられている。柱に使われている大谷石は、同時期に造られた帝国ホテル旧本館でも多用されたという。
築90年近くたって老朽化が進んでいたが、建築家の神谷修平さんの手により2020年に保存改修。同年10月から宿泊施設として使われている。
■気になるお値段は?
さて、気になる宿泊料金だが文化的な価値が高い邸宅だけに、それなりのお値段がする。予約サイトによると1棟貸しで1泊あたり21万4500円から(料金はシーズンにより異なる)。最低でも2泊からだが、3泊以上はお得な割引プランがあるという。定員は6人まで。割り勘にすることで宿泊しやすくなりそうだ。
無線LANを備え、シャンプーなどのアメニティや冷蔵庫、調理器具などはあるが、食事の提供はなく素泊まりとなる。駐車場までは徒歩3分。最寄りのコンビニは徒歩1分で、意外と利便性が高い。
加地邸の宿泊予約業務をしているSTAYCATIONの担当者は「今のところ、ドラマの影響で予約が増えたということはない」とした上で「良い反響が広がるのであれば有り難い」と話している。