うつ病による自殺は「自殺」ではなく「病死」だ

自殺という言葉は嫌いだ。自分を殺す。殺人犯みたいな言い方だ。なんていじわるで、微塵も思いやりがないんだろう。その人が一生懸命に、りっぱに生きてきたことを全否定するその言葉。
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NEW YORK, NY - MAY 15: Robin Williams attends CBS 2013 Upfront Presentation at The Tent at Lincoln Center on May 15, 2013 in New York City. (Photo by Ben Gabbe/Getty Images)
Ben Gabbe via Getty Images

 俳優のロビン・ウィリアムズ氏が亡くなった。

 「いまを生きる」の先生のセリフの1つ1つ、号泣しながら観たのを覚えてる。あれ、某長髪先生役で有名な日本人俳優さんあたりが演じたりしたらうっとおしいばかりだけど、ロビン・ウィリアムズという役者が演じたからこそ、あの説得力で、あのすばらしさで、あの感動だったのだと思う。

 それにしても。彼が長いことうつ病を患っていたとは知らなかった。人をたくさん楽しませる人ほど、うつ病であることが多いなぁとつくづく思う。

 そしてその果ての死。自殺と報じられているが、私は思うに、うつ病は病気で、その死は病気がもたらしたものなのだから、自殺、と言わないでほしい。うつ病による死は「病死」としてほしい。

 自殺という言葉は嫌いだ。自分を殺す。殺人犯みたいな言い方だ。なんていじわるで、微塵も思いやりがないんだろう。その人が一生懸命に、りっぱに生きてきたことを全否定するその言葉。その人の生前の苦しみも葛藤も、知らん顔をして、なんて言葉だ。いうなら「自死」と言ってほしい。

 でも、うつ病の死は自死でもないと思う。病死だ。ロビン・ウィリアムズ氏はたくさんの人を喜ばせ、笑わせ、涙させ、世界中に影響を与えた素晴らしい人だ。その人の最後を殺した人、にしないでほしい。

 彼に限らない。世界中のうつ病で亡くなった人の人生を「自殺」などという言葉で貶めないでほしい。亡くなったことは残念で、悲しいが、だからこそ、その言葉はいやだ。ひどい。

 ロビンさん、天国でゆっくりと、心おだやかに、すごしてください。ああ、もしかして、サービス精神いっぱいのあなたなら、天国でみんなを笑わせているかもしれませんね。それがあなたの喜びであったのだから。

 どうか、やすらかに。