7日午後、衆議院本会議で改正道路交通法が可決、成立した。改正道交法には、病状を隠しての免許取得に対する罰則の新設、無免許運転の罰則の強化、悪質な自転車の運転者への安全講習の義務化などが追加された。
省エネでファッショナブルな乗り物として人気となっている自転車は、免許制度がないだけに、運転に関する知識や技術が人によってまちまちであり、事故も多い。
福井新聞は論説の中で、自転車の事故による高額な損害賠償命令について下記のように書いている。
携帯電話をしながら無灯火走行中、女性にぶつかり重度の障害を負わせた女子高生に5000万円。交差点の横断歩道を渡っていた女性に信号無視で衝突し死亡させた男性に5438万円。ペットボトル片手に下り坂から交差点に高速進入、横断中の女性を衝突死させた男性には6779万円。自転車だから、と甘く考えていたら悔やみきれない事態に陥る。便利で気軽さの背後に危険が潜む。
(福井新聞「悪質自転車の厳罰化 将来は免許制度も視野に」より。 2013/2/25 07:09)
また、朝日新聞デジタルは悪質な自転車運転者の取り締まりを神奈川県警が強化しているという記事で、今年からすぐに赤切符が切られると報じている。
赤切符は検察が起訴すると罰金刑などが科される。東京都では東京地検が今年1月から、積極的に略式起訴し、罰金刑を簡易裁判所に求めていく姿勢を示している。不起訴になっても前歴として記録が残る。
(朝日新聞デジタル「悪質自転車「即レッド」 神奈川県警が取り締まり強化」より。 2013/05/08 17:46)
改正道交法では、悪質な違反を繰り返した運転者に安全講習を義務付ける制度の導入を追加した。信号無視や酒酔いなど危険な違反で2回以上摘発された運転者に、都道府県の公安委員会が安全講習の受講を命令。受講命令に従わないと5万円以下の罰金を科す。また、自転車は左側通行に限定することも盛り込んだ。
この他、無免許運転の罰則は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金を、3年以下の懲役または50万円以下の罰金へ引き上げる。無免許と知っていながら車を貸すなどした人も同様の罰則が適用され、同乗者についても2年以下の懲役または30万円以下の罰金とする。
また、運転に支障を及ぼすような病状を隠しての免許取得・更新については、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が新設され、こうした情報を知る医師についても、守秘義務をなくした。
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