STAP細胞論文を発表した、理化学研究所(理研)の小保方晴子氏らの所属部門を「早急に解体すべきである」とする提言が、6月12日に発表された。(理研)が設置した外部有識者でつくる改革委員会がまとめたもの。「通常の方法では、欠陥の除去は困難」として、小保方氏らが所属する発生・再生科学総合研究センター(CDB)の解体と再構築を訴えている。
STAP問題の背景には、研究不正行為を誘発する、あるいは研究不正行為を抑止できない、CDBの構造的な欠陥があるが、その背景にこのようなCDBトップ層全体の弛緩したガバナンスの問題があり、人事異動などの通常の方法では、欠陥の除去は困難である。理研は、CDBの任期制の職員の雇用を確保したうえで、早急にCDBを解体すべきである。
また、小保方氏と並んで、彼女の上司であるCDB副センター長・笹井芳樹氏の責任も追求している。小保方氏の著しい経験不足を知っていたのに、十分な助言をせずに監督者としての責任を放棄したとして、「相応の厳しい処分がなされるべき」と指弾した。
小保方氏の助言の任にあたる者としての責務をいずれも軽視し、共著者に検討の機会を十分に与えないまま、拙速に論文を作成し、研究不正という結果を招いた。(略)笹井副センター長の責任は重大であり、小保方氏と並び厳しくその責任が問われるべきであり、相応の厳しい処分がなされるべきである。
(同上)
その上で、STAP細胞の発表会見が「小保方氏の研究室や割烹着姿で研究する小保方氏を公開するなど、いささか派手な広報が展開され、必要以上に社会の注目を集めるような報道発表になった」と指摘。この会見をCDB広報を飛び越して、笹井氏が自ら取り仕切っていたことについて「正確で客観性の高い広報という視点からの報道発表ができなかった」と断じている。
神戸市内にある理研CDBの建物(理研CDBのパンフレットより)
理研CDBは2000年に、動物の発生メカニズムや再生医学等の応用研究を目的として神戸市内に設立された。MSN産経ニュースによると、2012年度の予算は約39億円、職員数は約500人。もし、CDBが解体されることになれば、理研は大きな組織改編が迫られることになる。
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