アメリカ・カリフォルニア州で10月5日、安楽死・尊厳死を合法とする「死ぬ権利」法が成立した。同州のジェリー・ブラウン州知事がサインした。オレゴン、ワシントン、モンタナ、バーモントの4つの州に続き、安楽死・尊厳死を認める5番目の州となる。
法律は、末期患者が医師の処方で命を絶つ権利を法制化するもの。2人の医師から余命6カ月未満の宣告を受け、少なくとも15日後に要求書を作成するとともに患者自らが口頭で2回要請すること、そして自分で「死ぬ権利」の選択を決める能力があることが条件になる。
法案には、カトリック教会や障害者団体などが反対。9月11日までに同州議会で法案が可決されたが、カトリック教徒であり、キリスト教の神学校に通っていたブラウン知事が、法案に署名するかどうかに注目が集まっていた。
知事は決断までに数週間をかけ、「最後は、私自身が自分の死に直面した時に、どうしたいかを検討できるようにした」と告白。「もし私が、長期にわたるる耐え難い痛みで死に向かっているときに、どうするかはわからない」と続けた。そのうえで、「この法律によって安心する人もいるだろうと思う。その権利を、私は否定しない」と述べた。
「死ぬ権利」法案は、末期の脳腫瘍患者だったブリタニー・メイナードさん(享年29)が尊厳死を選択したことがきっかけとなった。サンフランシスコのベイエリアに住んでいたメイナードさんは2014年1月、脳腫瘍の診断を受け、3月にはそれが多形性膠芽腫という悪性のがんで、余命6カ月と宣告された。「私は2014年11月1日に死にます」と尊厳死を選択することを公表。カリフォルニア州から、尊厳死が合法化されているオレゴン州に移り、11月1日、医師から処方された薬を自宅で服用して死去した。
死の直前、メイナードさんはブラウン知事に電話で尊厳死を認めるよう働きかけていた。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー